【京成杯AH】クラレント 重賞連勝でサマーマイル王者に輝く!

[ 2014年9月15日 05:30 ]

クラレント(右)が京成杯AHを制し、サマーマイルシリーズ王者に輝いた

 サマーマイルシリーズ最終戦「第59回京成杯オータムハンデ」が14日、新潟競馬場で行われた。2番手を進んだ2番人気クラレントが早め先頭で押し切り、関屋記念に続く重賞連覇。サマーマイルシリーズ王者に輝いた。サマージョッキーズシリーズ優勝がかかっていた田辺裕信(30)は直前に行われたセントウルSを勝った丸田に“先行された”が、きっちり10ポイントを積み重ねて“差し切り”Vを決めた。阪神開幕メーン「第28回セントウルS」は4番人気リトルゲルダが北九州記念に続く重賞連覇。逆転でサマースプリントシリーズ王者となった。

【レース結果】

 雨のち晴。夏の太陽が戻った新潟で、クラレントが見事な戴冠劇だ。今夏好調の田辺の巧腕がさえた。愛馬を信じ、迷いなく2番手へ。直線は馬場の良い真ん中に巧みに導き、残り1Fで堂々と先頭に躍り出た。外から迫るブレイズアトレイルを振り切り、関屋記念に続く重賞連覇。サマーマイルシリーズ(21ポイント)に加えて、田辺はサマージョッキーズシリーズ(35ポイント)の首位をがっちり堅持し、ダブル王者に輝いた。

 レース後、田辺は「我慢して良かった」と喜びに浸った。前日13日の新潟10Rは豪雨の中、落馬で泥田のダートに叩きつけられた。「左の肘はズルむけ。日曜朝になって首の痛みが増し、正直もうろうとしていた」と満身創痍(そうい)。それでも痛み止めを服用し、譲れない夏の王者を懸け、魂を込めた。前日の不良から、良まで回復した水はけの良い新潟の芝も後押し。「馬も僕も王者になれ、本当に良かった。内枠(3番)で馬場も心配したが、レースの頃に乾いたのも味方した。(関屋記念から1キロ増の)58キロはこたえていたと思う。楽勝という感じではなかった…。まだまだ可能性はある馬です」と田辺は今夏、走り抜いた愛馬を称えた。

 阪神で見届けた橋口師も破顔一笑だ。阪神10R・西宮Sでは弟レッドアリオンがV。「兄弟で併せ馬をして勝ったのだから良かったね。ただ(兄は)調教時計は平凡だったし、ハンデも1キロ増。正直心配だった。王者を狙うために使ったからうれしい」と笑顔がはじけた。実は関屋記念V時も自らは小倉に出向き、同じ山手助手を新潟に送った。「少し、験を担いでみた」と師はニヤリと笑った。

 ジョッキーズシリーズ優勝の田辺は褒賞金100万円に加え、夢のワールドスーパージョッキーズシリーズ(11月29、30日=東京)の出場権を確保。田辺は「周りからも言われていたし、意識していた。苦手な飛行機にも結構乗って、移動したかいがあった」と笑顔がはじけた。鞍上が夢舞台なら、6勝目の重賞Vのクラレントの悲願はG1制覇。指揮官は「マイルCS(11月23日、京都)に直行。間隔も空き、ちょうどいい」と頂点を見据えた。“実りの秋”に向け、夏以上に人馬は熱さを増していく。

 ◇クラレント 父ダンスインザダーク 母エリモピクシー(母の父ダンシングブレーヴ)牡5歳 栗東・橋口厩舎所属 馬主・前田晋二氏 生産者・北海道新冠町ノースヒルズマネジメント 戦績23戦7勝 総獲得賞金3億3791万8000円。

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2014年9月15日のニュース