【阪神新馬戦】驚速ビリーヴ級フィドゥーシア、ラスト2F24秒切り

[ 2014年9月12日 05:30 ]

母譲りのスピードを武器に新馬戦勝利を狙うフィドゥーシア

 今週から秋の阪神開催が開幕。絶好の馬場を求めて有力新馬が続々とデビューを飾る。特に注目は良血馬が集まった日曜5R新馬戦(芝1600メートル)。スプリントG1・2勝馬ビリーヴの娘フィドゥーシア(松元)が初陣を迎える。坂路でラスト2F24秒切りをマークした“母譲り”のスピードを武器に、新馬勝ちを狙っている。

【日曜阪神5R】

 12年前、今年と同じ新潟開催だったスプリンターズSを制したのは牝馬のビリーヴだった。その娘フィドゥーシア(松元、父メダグリアドーロ)が、秋の阪神開幕週日曜5R(芝1600メートル戦)でベールを脱ぐ。「こんなにワクワクするのは久しぶりだな。横顔なんか、お母さんそっくり」と母だけでなく、兄のファリダットも手掛けた吉田厩務員は、馬房でくつろぐ新馬に熱い視線を送る。

 82年、バンブーアトラスでダービーを制したこともある栗東屈指の腕利きを、うならせたのは1週前の追い切りだった。コンビを組む武豊を背に坂路で4F51秒2の好時計をマーク。特筆すべきはラスト2Fの11秒9→12秒0だ。同厩務員は「古馬でもなかなか出ないタイムやからな。実戦に結び付いてくれたら」と期待を寄せた。

 過去10年、デビュー前の2歳が栗東の坂路でラスト2F24秒0以内だったのは4頭しかいない。うち2頭がロードカナロア(12秒4→11秒4)、ハクサンムーン(12秒1→11秒9)のG1級スプリンターだから、その凄さを裏付けている。手綱を取った武豊も「まだトモ(後肢)は緩い感じがするのに、これだけタイムが出るなんて。走ってほしいね」と将来性を口にした。

 最終追いも坂路で4F51秒8。見守った松元師は「見た目以上に時計が出る。先週やって動きやすくなったのかも。ゲート試験も一発で受かったしスタートも良さそう」と目を細める。母と同じスプリント路線ではなく、マイル戦から始動。指揮官は「距離適性は最終的に母と同じになるかもしれないが、短距離血統でもオークスで上位にくる馬も多い。3歳春までは、距離はどうにかなるのでは」と来春のクラシックを見据えた。

 昨年の阪神開幕週マイルの新馬戦は1着アトム、2着ミッキーアイル。素質馬が集まるレースで初陣を飾り、偉大な母の背中を追い掛ける。

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2014年9月12日のニュース