【安田記念】カレンブラックヒル　好時計連発、走る気戻った！

復活を狙うカレンブラックヒルと担当の西口調教厩務員

　カレンブラックヒルは、デビューから４連勝でＮＨＫマイルＣを制すなど、世代で圧倒的なスピードを誇った。だが、古馬となってからは自慢の先行力は鳴りを潜め凡走続き。それだけに１年半ぶりの白星となった前走・ダービー卿ＣＴでの、トップハンデ（５７・５キロ）をものともしない華麗なフットワークは“完全復活”を感じさせる走りだった。

【安田記念】

　担当する西口調教厩務員は「負けていた時は馬自身が走るのをやめて自分のペースで運べなかった。それが前走、追っつけずにスッと先行できて自分の競馬ができるようになった。今は本当に馬の雰囲気がいい」と好感触。

　ブラックヒルは調教タイムが競馬の結果に直結するほど、好不調がハッキリしている。この中間の稽古が圧巻の動きだ。２週続けて秋山がまたがり、２週前は坂路で時計の掛かる馬場の中を馬なりで４Ｆ５２秒４。１週前も坂路でしまい重点に５１秒５の好時計をマークした。２走前（１１着）の最終追い（坂路５３秒５）と比較しても明らかに出来は上向きで、躍動感あふれる走りは心身ともに充実ぶりがうかがえる。

　同厩務員は「古馬になってからは落ち着きが出て、余分な力を使わなくなった。やっと走る気持ちが戻ってきたみたいだね。スタートを決めて、前々のポジションで運べればチャンスはあるよ」と手応え十分。今春の東京は絶好の馬場コンディションで、内を通った馬の好走が光る。ＮＨＫマイルＣ（ミッキーアイル）、ヴィクトリアＭ（ヴィルシーナ）は逃げ切りＶ。オークス（ヌーヴォレコルト）、先週のダービー（ワンアンドオンリー）は好位インからの自在な立ち回りが生きた。Ｇ１勝利の思い出の地で、カレンブラックヒルが復活の走りを披露する。