【大井・東京ダービー】ハッピースプリント2冠へ!怪物伝説再び

[ 2014年6月3日 05:30 ]

4月の羽田盃を制した吉原とハッピースプリント

 日本ダービーの後は砂の優駿に注目だ!南関東3歳馬の頂点を決する「第60回東京ダービー」は、4日、東京・大井競馬場のナイターでゲートイン。羽田盃で圧倒的な強さを見せた13年地方年度代表馬(15)ハッピースプリントがクラシック2冠へ突き進む。

 地方競馬に久々に現れた超大物。それがハッピースプリントだ。ダート無敗の同馬だが後続につけた着差を振り返ると、京浜盃までは2戦目のウィナーズチャレンジ(門別1700メートル)での4馬身が最大。ほかは0秒3~0秒5とさほどでもなかった。

 しかし、前走の南関クラシック初戦・羽田盃で、その底知れぬ能力の一端が垣間見えた。吉原寛人(30=金沢)が「ちょっと離してみようか。どれくらい動くかな?」と軽く気合をつけただけで5馬身突き抜けた。まさに鮮烈のVだった。

 5月30日、最終追い切りを無事済ませた。開業から1年半余りの12年にプレティオラスで史上最年少の東京ダービートレーナーとなった森下淳平師(34)は慎重に口を開いた。「羽田盃からの上積みはそれほどない。ただ、変わらないことは悪いことではない。左の背中、トモ(後肢)、関節に出た疲れを抜くことを重点にやってきたが、少し手間取ったかな」。高い理想と比較すれば“甘さ”を感じるようではあったが「動きの質もこれで少し戻ってくると思う」と合格点を出した。

 京浜盃から手綱を取る吉原も24日の1週前追い切りでは体に緩さを感じていた。だが、「しっかり体ができて不安はなくなった。いい状態。レースのイメージもできた」とここに来て笑顔が見られた。若き名手もデビューから間もなく、地元(金沢)の日本海ダービーがなくなり、12年東京ダービーでは同じ森下厩舎所属のプーラヴィーダで3/4馬身差2着惜敗。「今(VTRを)見ても悔しい」。ダービージョッキーへの思いは誰よりも強い。

 盤石の2冠制覇から名馬の道へ。ハッピーな物語はこれからが本番だ。

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2014年6月3日のニュース