【阪神JF】スタミナ無尽蔵アンチュラス

[ 2011年12月9日 06:00 ]

 【G1ドキュメント・8日】井上は阪神JFを狙うアンチュラスの前に立った。目には生気がみなぎり、毛づやも申し分ない。児玉雅文調教厩務員(34)はクールな表情で口を開いた。「馬体に余裕を持たせてのデビューだったが、計算通りに来ている」。外へ逃げて3着の新馬戦458キロ。2戦目の未勝利圧勝が452キロで、前走・ファンタジーS2着は448キロ。

 井上には、ちょっぴりわがままなお嬢さんといったイメージがある。他馬を気にしたり、前走でも序盤は行きたがっていた。「確かにわがままだけど自分を持っているというか自己主張をする。いい意味でのわがままで可愛いよ」とこの道14年目の厩務員は優しい目を愛馬に向ける。お嬢さんだがガッツはちょっとしたもの。前走は好位インから直線で馬場の真ん中へ。先頭に立ちかけたが脚勢が鈍り、のみ込まれそうに…。寸前で盛り返して2着だ。「盛り返したように見えたけど外から他馬に接触されそうになって逃げ道が前しかなかった。それで伸びた。まだ一度も息が上がって戻ってきたことない。本当にポテンシャルは高い」

 こういう話を聞くとうれしくなる。2歳女王決定戦は思い切り走ってほしい。「これまで追い切りでもどこかで必ず逃げていたけど今回(水曜追い)は初めて逃げずに走っていた」

 父ディープインパクト、母アンチョ。母の産駒に06年CCAオークス(米G1・ベルモント10Fダート)を制したワンダーレディアンエルが出る。距離延長は望むところだ。

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2011年12月9日のニュース