【オークス】ぶっ飛びホエールキャプチャ50秒1

[ 2011年5月19日 06:00 ]

<オークス>坂路で追い切るホエールキャプチャ

 牝馬クラシック第2弾「第72回オークス」の最終追い切りが18日、美浦、栗東両トレセンで行われた。美浦では桜花賞2着のホエールキャプチャがこの日の坂路2位となる4F50秒1の好時計を馬なりでマーク。究極の出来をアピールし、桜花賞2着から史上12頭目の“逆転戴冠”に大きく前進した。また、2冠を目指すマルセリーナは栗東CWコースの併せ馬で併走馬を2秒5ちぎる圧巻の動きを披露、状態の良さをアピールした。なお、同レースの出走メンバーと枠順は19日確定する。

 逆転戴冠へ。ホエールキャプチャに一切の妥協はなかった。午前6時の開門と同時に坂路でまず1本脚慣らしを終えた後の本追い切り。報道陣が坂路モニターにくぎ付けになる中、白い馬体が外ラチ沿いを弾んだ。

 「4F50秒1」

 力強くウッドチップを蹴散らし、表示された時計はラバンガルド(49秒8)に続く、この日No・2の好タイム。1F11秒8と最後までリズミカルに伸びた。敵地の桜花賞(2着)で力走してもなお、これだけしっかり追えるのが順調の証だ。

 田中清師はギラリと目を輝かせた。「思うようにいった。申し分ない調教ができたし、目いっぱいに仕上げた」

 結果的に外寄り16番が響いた桜花賞。それでも最終4コーナー大外17番手の苦しい位置から猛然と必死に伸び、マルセリーナとの差はわずか3/4馬身だった。「負けて強し。次につながる競馬だった。悲観する内容じゃない。いつもより2、3日回復に時間がかかったが、阪神から戻った後も問題なくきている」

 初の2400メートルを前に細心の注意も払った。11日の1週前追いは栗東から駆けつけた主戦・池添を背に芝コースへ。逆にこの日は走り慣れた坂路を迷わず選択した。

 「先週は距離が長くなる点を考えて長めに乗った。ただ今までも坂路だけで長距離に対応した馬も何頭も手掛けた。最後は特別変わったことはしてない。距離は性格にもよるし、この馬は多分こなしてくれると思う」

 田中清師と言えば、01年オークス馬レディパステルが今も鮮烈な思い出だ。米国の名手デザーモを背にフローラS2着からの制覇だった。「あの時は人気(5番人気)もなかったし、GIも初めてで半信半疑だった。今回は桜花賞の内容からも実力的には上位。東京は1回使った(クイーンC優勝)だけだけど上手に走っているし、あの時とは向かう姿勢もおのずと変わってくる。これだけの大レース。勝つチャンスは一生に1、2度しかない。残り1Fで勝負できる位置にいれば、勝ち負けになると思う」。師は確かな感触を包み隠さずに吐露した。一点の曇りもない最高の仕上げ。磨き上げたその力を出し切れれば、あの歓喜が必ず戻ってくる。

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2011年5月19日のニュース