【有馬記念】2着ブエナビスタ

[ 2010年12月27日 06:00 ]

レースを終えて引き揚げるブエナビスタ

 馬場の中央に進路を取ったブエナビスタがスミヨンこん身のステッキに反応してグンと加速。一気に先行グループをのみ込む勢いでゴールを目指す。それでもあと1頭、ヴィクトワールピサが譲らない。最後は同時にゴールへ飛び込み写真判定にもつれ込んだが、昨年に続く2着に終わった。メンバー最速の上がり3F33秒8を刻みながら、今年もまた勝利の女神に見放される結末。1位入線2着降着に泣いた前走・JCのうっぷんも晴らせず。厳しい現実を突き付けられたスミヨンは淡々とレースを振り返った。

 「きょうはゲートを出ていかなくて後方から。中山は半分より前のポジションにいないと厳しいのは分かっていたんだけど前半にうまく修正できなかった。それでも最後は凄くいい脚を使ってくれたし、勝ったと思ったんだけど…」
 直線の脚色は断トツ。負けて強し、と言える内容だった。それでも負けは負け。鞍上はその事実を受け止めながら「位置取りの差だと思う。もう1回やれば…」と唇をかみしめた。
 敗れはしたが、2着賞金を積み重ね獲得賞金は牝馬としてウオッカに続く史上2頭目の10億円を突破。グランプリを終えた松田博師の表情には充実感が漂っていた。時折、笑みを浮かべながら今季最終戦の力走をねぎらった。「よく走っているさ。スミヨンはロスなく運ぶためにしまいの脚に懸けたけど4コーナーで前と差があったし、あれだけの差を詰めるのは大変だよな。勝負だから結果は仕方ない。男馬でもきついようなローテでよく頑張っているし頭が下がる思いだよ」
 来春は今年に続いてドバイ遠征を視野に入れており、ワールドC、シーマクラシックのいずれかを予定。松田博師は「この後は1週間ほど栗東で様子を見ないとな。秋に3回使ったしドバイに行くとなったら直行じゃないかな」との見通し。勝ち馬ヴィクトワールも同様のプランを描いており、来年はドバイの地が最初の雪辱の舞台となりそうだ。

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2010年12月27日のニュース