【有馬記念】池添泣けた!やったぜドリジャニGP連覇!

[ 2009年12月28日 06:00 ]

ドリームジャーニーで有馬記念を制した池添騎手

 09年中央競馬の総決算「第54回有馬記念」が27日、中山競馬場で行われ、2番人気のドリームジャーニーが優勝。春の宝塚記念に続き史上9頭目の同一年春秋グランプリ連覇を成し遂げた。池添謙一騎手(30)は初の有馬制覇に男泣き。池江泰寿師(40)は、父・泰郎師(06年ディープインパクト)に続き、父子での春秋GP連覇となった。1番人気に支持されたブエナビスタは半馬身及ばず2着に終わった。

 涙、涙のウイニングラン。春秋グランプリ制覇を飾ったドリームジャーニーの馬上で、池添は声を上げて泣いた。脱鞍所に戻っても、ジャーニーの首筋に伏せたまま動けない。「絶対に勝つという気持ちで乗った。うれしいという言葉しか見つからない」。重圧から解き放たれ、責任を果たした安どと喜びが涙となってあふれた。
 スタートは後手を踏み、2馬身後方にポツンと1頭置かれた。2番人気馬の出遅れに場内は騒然。だが「この馬のことを一番分かっているのは僕」と自負する池添だけは冷静だった。「スタートがゆっくりなのは、いつもの感じ」。折り合いに専念し1周目のスタンド前は後方から2番手。それでも鞍上には確信があった。「結構速く流れていたしリズム良く走らせてあげれば最後は絶対に伸びてくれる」。4角では内から抜け出していくブエナビスタを確認してから追い出す余裕があった。「直線はあの馬との勝負になる」。読み通り、ゴール前は一騎打ち。必死に抵抗する3歳牝馬を古馬の意地と底力で半馬身差ねじ伏せた。「手応えから交わせる自信はあった」。愛馬への絶大な信頼が勝利の糸をたぐりよせた。
 全身で喜びを表現した池添に対し、レース後のインタビューに臨んだ池江寿師は、ややあっけにとられた表情。「直線は前の人がみんな立ってしまって頭しか見えなかった。周囲の人から“おめでとう”と声をかけられ、勝ったんだなと…」。先月19日に長男・悠喜(ゆうき)君が誕生したばかり。「早く帰って子供の顔が見たいね」と笑ったが、ジャーニーの血統の話になると表情が引き締まった。父・泰郎師の下で調教助手として携わった母の父メジロマックイーンは91年2着。父ステイゴールドは3度挑戦して3着が最高と、有馬記念では涙をのんできた。「競馬は血のドラマ。無念を晴らしたという気持ちは凄く強かった」と感慨深げに振り返った。
 GP連覇を成し遂げたジャーニーは来春も国内G1に専念。「春は4戦。京都記念、大阪杯、天皇賞・春と使って宝塚連覇を目指したい」と既に青写真ができあがっている。父譲りの成長力で進化を続けるジャーニー。古馬G1戦線の主役の座はしばらく揺るぎそうもない。
 <史上9頭目>同一年に宝塚記念と有馬記念を制したのは63年リユウフオーレル、65年シンザン、70年スピードシンボリ、89年イナリワン、92年メジロパーマー、99年グラスワンダー、00年テイエムオペラオー、06年ディープインパクトに次いで9頭目。そのうち5歳でGP連覇を達成したイナリワンは翌年の天皇賞・春で2着、メジロパーマーも翌年の天皇賞・春3着など6歳以降はG1を勝てなかった。ドリームジャーニーはジンクスを打ち破ることができるか。
 ◆ドリームジャーニー 父ステイゴールド 母オリエンタルアート(母の父メジロマックイーン)牡5歳 栗東・池江泰寿厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績24戦9勝 総獲得賞金7億6951万1000円。

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