【東京大賞典】今が旬!セレン勢い本物だ

[ 2009年12月28日 06:00 ]

交流重賞初挑戦でG1制覇を狙う船橋の上がり馬セレン

 今年最後の開催となる第15回大井競馬は28日から31日まで行われる。メーンは29日の「第55回東京大賞典」。南関東重賞連勝の勢いで初めてダートグレードに挑むのが石崎隆セレン。4月の自己条件から9戦連続連対中、一気にG1ホースへ駆け上がるか。ジャパンCダート最先着(3着)のJRAゴールデンチケットもG1初制覇を狙う。初日は一夜限りの真冬のナイター「年忘れ1day TW(ワンデー・トゥインクル)」、29~31日はプチトゥインクル(薄暮開催)で実施される。

 有馬記念は4歳馬不在だったが、砂の09年ラストG1・東京大賞典には快進撃を続ける4歳馬が出走する。船橋のセレンだ。
 追い切りの動きからも勢いが伝わってきた。全休日の静けさに包まれた25日の船橋競馬場。まだ真っ暗な午前4時に現役唯一の6000勝ジョッキー・石崎隆を背に単走で5F64秒1~50秒5~37秒4(いっぱい)で駆け抜けた。終始スムーズな脚さばき。本馬場からの出口で佐藤賢師に声を掛けられた同騎手は馬上で「良かったよ」と応えた。「いつもと一緒。今までと変わらない状態でいける。前走の中間はおできで休んだ日もあったが今回は順調。今度は超一線級が相手だからな。どれだけ時計を詰められるかだよ」。名手は冷静に語った。
 休み明けの今年1月はまだC1級だった。息の長い末脚を武器に、そこから【8・3・1・0】と活躍。重賞初挑戦の東京記念で古豪ルースリンドの2着に食い込むと、地元の京成盃GM、東京大賞典TRともいえる勝島王冠と重賞V2を果たした。G1はもちろん、交流重賞も初めてとなるが、近2走の完勝ぶりから即通用の魅力を感じさせるほど成長を遂げたのだ。
 2、3歳時は【3・0・0・3】とわずか6戦。化骨の進み具合が遅かったり、右脚の飛節が腫れたりで3歳後半は休養。同時にBTC(軽種馬育成調教センター)の坂路などで鍛えた。そして今年の好結果。「体そのものは今がピーク。オープンであれだけ切れる馬はそういないし、前走はここで負けるようならしようがないと思っていた。これからが正念場だし、今回はそんなに甘くないことは分かっているけど、反動もなくカイ食いもいい。この状態なら変な競馬はしないはず。あとはペースが速くなってほしいね」と佐藤賢師。金星奪取も決して夢物語ではない。

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2009年12月28日のニュース