坪井「何が何でもイン」/競艇王CC優勝戦

[ 2008年11月30日 06:00 ]

 2度目の地元SG制覇に王手。「第11回競艇王チャレンジC」は30日、12Rで優勝戦が行われる。予選を1位で通過した坪井康晴(31=静岡)が、準優12Rも難なく逃げ切り、優勝戦1号艇を獲得した。今年7791万円を稼ぎ、すでに賞金王決定戦出場は確定しているが、地元SGだけに狙うは優勝のみ。機力、S力、精神力と3拍子そろい、インから完ぺきな逃走劇を披露する。

【競艇王CC特集


 予選トップ通過の勢いそのままに、坪井が優勝戦1号艇を獲得した。準優12Rはセンター、アウト勢がそろってコンマ0台の好スタート。しかし、坪井も負けじとインからコンマ07のスタートを決めて、押し切ってみせた。「今節は10前後のスタートが自分の勘通りに行けている。体を起こして様子は見たけど、ここも勘通り」。自信のS勘で外5艇に全く付け入るスキを与えなかった。
 昨年はペラの不調に苦しみ、SG優出ゼロと結果を残せなかった。坪井も「選手になって一番勉強をした年」と振り返る。しかし、昨年の後半から調子を取り戻し、今回が今年3度目のSG優出。「その経験が実になった。コンスタントにエンジンを出せる」と努力の成果を実感している。
 好調ペラの実力を今シリーズも存分に発揮。評判エンジン54号機のパワーを徐々に引き出し、2日目にはトップクラスに到達した。「試運転で凄く目立つわけではないけど、足は全体的にいい。重いのに押していく。節一に近い」と満足できる仕上がり。あとは「天候に合わせてペラを叩く」と微調整のみで、舟足にも不安は皆無だ。
 最後の課題は、SG優勝戦の1号艇に襲いかかるプレッシャーを打ち破ることだけ。だが、「メンタル面は大丈夫」と力強く言い切った。逃げ切ったものの1Mのターンミスで他艇に迷惑をかけた06年当地グラチャン優勝戦は脳裏に焼き付いている。「何が何でもイン。グラチャンは失敗したので、今度はきっちり逃げたい」。納得できる走りで2回目の地元SGを飾る。

 ▼作間 章=直線の足は出ている人には少しやられるけど、掛かりなど出足系統はしっかりしていると思う。スタートはどこからでも大丈夫。
 ▼笠原 亮=準優(11R)は1マーク会心のレースができた。バックも良かったし、ターンも握って回れる。ピット離れが不安だが外からでも楽しみな足。
 ▼田中信一郎=このエンジンだけに納得。乗り心地、回ってからの舟の向きがいい。伸び足はもう少し欲しい。行き足がいいからSは決めやすい。
 ▼赤岩善生=乗り心地はいいけど、足的には中堅くらい。それでも戦える足はありますよ。今節は冷静に乗れている。スタートはしっかり行きたい。
 ▼吉川元浩=仕上がりは準優が一番良かった。行き足から伸びにかけてがいい。バランス取れてかなり上のレベル。ピット離れ次第では内にも…。

 ◆賞金王争い 賞金王決定戦12人の枠は10位の白井まで確定、残る2つは優勝戦の結果待ち。優勝しか道がないのは作間。笠原、田中、赤岩は優勝以外でも残るケースはあるが、自力で決めるためには笠原は優勝、赤岩と田中は準優勝以上が必要。魚谷(不出場)は笠原か作間が優勝し、赤岩か田中が準優勝の時だけ13位以下に落ちる。中島は絶望的な状況。坪井か吉川の優勝、赤岩が6着、田中が4着以下、笠原が3着以下という組み合わせのみ12位に残れる。単純計算でもその確率は3%以下と厳しくなった。

続きを表示

2008年11月30日のニュース