絶好チャールズ…不安はあの人?/ダービー

[ 2008年5月29日 06:00 ]

ウッドチップコースで松岡を背に追い切るマイネルチャールズ

 競走馬がレース3~4日前に行う「追い切り」は、トレーニングと体調の確認を兼ねた重要な最終調整だ。28日に行われたダービー最終追い切りの中から、美浦トレセンで抜群の動きを見せた皐月賞3着マイネルチャールズに注目。管理する稲葉隆一調教師(67)の発言から、追い切りに込められた意味とダービーの可能性を探った。コンビを組む松岡正海騎手(23)は「ファンファーレ」で意気込みを熱く語った。

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 ダービーは競馬関係者の誰もがあこがれる祭典。人気馬を出走させる調教師の重圧は並大抵ではない。ところが…。マイネルチャールズを管理する稲葉調教師は追い切り後の記者会見で、肩の力が抜けた発言を連発した。

 稲葉師 気持ち?高ぶってなきゃおかしい。ダービーでたくさん印がつく馬だぞ(笑い)

 発言はまだ続くが、その前に肝心の追い切り。マイネルチャールズは松岡騎手を背にハローがけ(馬場整備)直後のウッドチップコースへ一番乗り。単走で徐々に加速し、直線でトップスピードに乗ると糸を引くように伸びた。動きは抜群。しかし、ポイントは別にある。皐月賞時には左ステッキを入れていっぱいに追われたのに対し、今回は馬なりという点だ。

 稲葉師 頂点に行く馬なら併せ馬でびっしりやりたいところだが、この馬は男馬にしては線が細い。体重に注意しながらの調整できょうは単走。体調はいい意味で平行線だ。

 やや弱気とも取れるコメントだが、決してそうではない。前走との比較、今回の見通しを聞かれるとトーンが一変した。

 稲葉師 皐月賞がピークと思っていたが、落ち着きが出て雰囲気はさらに良くなった。東京でも勝っているし脚質や血統から距離が長いとも思わない。普通に走ればいい競馬になるだろ。ジョッキーは頼りないけどな(笑い)

 一つの工夫が気配を上昇させた。これまでレース後は茨城県内の調教施設「ビッグレッドファーム鉾田」で調整されてきたが、皐月賞後は厩舎に滞在。その理由をこう説明する。

 稲葉師 ストレスのケアができる牧場が近くにあるのは確かに有利だが、競走馬がたくさんいるトレセンで落ち着いていられることも大事。厩舎に置いて良かったと思う。

 会見の最後では冒頭の発言を否定して、また爆笑を誘った。

 稲葉師 プレッシャーなんて全然ないよ。少しは興奮してる感じを見せないと悪いだろ?(笑い)

 大一番を前に緊張感を楽しんでいるようなムード。自信を持って臨める仕上げになったのは間違いない。

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2008年5月29日のニュース