毎熊克哉 主演作で余命宣告を受けた難病の青年を熱演 「どう生きるか考えるきっかけに」 23日公開

[ 2026年1月20日 17:52 ]

スポニチのインタビューに応じる毎熊克哉
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 俳優の毎熊克哉(38)が主演する映画「安楽死特区」(監督高橋伴明)が23日から公開される。回復の見込みがない難病を患い、余命半年と宣告されたラッパーを熱演。命と真摯に向き合った作品について毎熊は「死を後ろ向きにとららえるのではなく、どう生きていくのかを考えるきっかけになれば」と呼びかけている。(西村 綾乃)

 映画は医師で作家の長尾和宏氏(67)の同名小説が原作。「安楽死法案」が可決された近未来の日本が舞台で、国家主導で導入された制度のもと、人間の尊厳や生と死、愛を問う内容になっている。

 毎熊が出演依頼を受けたのは、2024年の初夏。昨年公開された主演作「『桐島です』」と2本同時にオファーがあったと振り返る。

 24年7月から撮影に入った「『桐島です』」は、実在した指名手配犯・桐島聡役。「2作ともとがった作品ですが、『桐島―』については、今の社会の中にも似た空気がある」とイメージを膨らませていくことができたそう。

 一方、難病宣告を受けたラッパーの酒匂章太郎役を務めた「安楽死―」については「時代も年齢も関係ない」と頭を悩ませた。

 死や安楽死について考えていく中で「知識を教えてくれる人ではなく、気持ちを打ち明けられる理解者がほしい」と撮影に入る前に、ある女性と対話した。

 それは、安楽死について実体験を書籍「私の夢はスイスで安楽死 難病に侵された私が死に救いを求めた三十年」にまとめた、くらんけさん。6歳の時に、末梢神経が徐々に麻痺していく難病CIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)を発症。2019年にスイスで安楽死を試みたくらんけさんに「どうしたら良いのか分からない」と打ち明けると、「自分の中にないものだから、分からないことが正解」と言われ覚悟を決めた。

 「桐島―」も「安楽死―」も同じ高橋監督。「苦しい、つらいと病気をフィーチャーするのではなく、演じた章太郎特有のつらさを表現したい」という毎熊の思いを信頼してくれた。

 「歩いているだけならほかの若者と変わらないように見えるけれど、彼は肺を患っている。ラッパーだから、ライブでは声が出にくくなる」。

 章太郎のつらさを伝えようと、心血を注いだその映像を見る監督の目は、命を削っているようだったという。

 印象に残っているセリフについて聞くと、バッグから緑色の表紙の台本を取り出し「シーン56です」と即答した。

 それは毎熊と医師が会話する場面。毎熊が「この病気を長くやってると、絶望にも2種類あることが分かる?暗い絶望と明るい絶望」と口にするシーンだ。

 「終わりが見える絶望は明るい絶望。一方で暗い絶望は長い長いトンネルの中で、先が見えない状態のこと。くらんけさんが著書の中で『死という選択をすることができるから生きていかれる』と記されていて、初めて読んだ時は衝撃だったんですけど、この言葉に通ずるセリフだと思っています」

 40分ほどのインタビューで何度も口にしたのは「映画を若い人に観てほしい」という言葉だった。

 幼少期から映画が好きで週に5本ずつ、ビデオ店で旧作を借りていた毎熊にとって映画は教科書的な存在。

 「映画を観たおかげで自分が知らないことを知ったり、新しい価値観があることを学ぶことができました」と自分自身の経験を重ねながら力説した。

 「人は生まれたからには必ず一度死ぬもの。死を後ろ向きにとらえた作品ではないので、ぜひ若い人に観てほしい。この作品の中に将来の道につながる何かが見つかるかも」と思いを込めた。

 ◇毎熊克哉(まいぐま・かつや)1987(昭62)年3月28日、広島県出身の38歳。2016年公開の主演映画「ケンとカズ」で第71回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞。18年にはNHK連続テレビ小説「まんぷく」に出演。23年はNHK大河ドラマ「どうする家康」、24年に同「光る君へ」に出演。血液型A。

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