藤井聡太王将、5連覇へ角道開けて新境地 11日開幕ALSOK杯第75期王将戦7番勝負

[ 2026年1月4日 05:30 ]

王将戦に向けて「馬」と書いた羽子板を手に笑顔を見せる藤井王将
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 将棋の藤井聡太王将(23)=名人を含む6冠=が挑戦者に永瀬拓矢九段(33)を2期連続で迎えるALSOK杯第75期王将戦7番勝負(特別協力・スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)は11日、静岡県掛川市「掛川城二の丸茶室」で開幕する。藤井は5連覇、永瀬は3度目の挑戦で初奪取を目指す。藤井は前期第5局で、デビュー9年目で初めて後手から2手目に角道を開け、勝利した。以来2手目[後]3四歩の将棋は6戦6勝。今期も継続して変化を志した。

 これまで持ち時間8時間以上の2日制タイトル戦は18回戦って全勝した。永瀬とのタイトル戦も6回戦って全勝した。藤井はそれでも、永瀬将棋の変化を見定めて警戒感を強める。

 「鋭さや積極性が以前に比べて増している。最初にリードを奪う技術が際立っている。しっかり準備をし、集中して深く考えていくことができれば」

 千日手を嫌わず「負けない将棋」と評された受け将棋から攻めを磨いたと見る。昨夏の王位戦以来半年ぶりとなるシリーズでの永瀬との再戦へ、期待を語った。

 昨年2月の王将戦第4局。2日制の先手番連勝が32で止まり、2期連続ストレート防衛も逃したが、続く第5局で4連覇を決めた。デビュー以来、後手番258局目で初めて飛車先の歩を突かず、2手目[後]3四歩と角道を開けた。自ら戦型選択を主導して雁木(がんぎ)へ進め、快勝した。

 「練習将棋で指すことはあったけれど、経験値としては十分ではない。実際にやってみてある程度良い感じに指せるのかどうかと思っていました」

 2手目は居飛車党なら、飛車先の歩を突くかのほぼ二択。藤井はデビュー以来「[後]8四歩派」だったが、長く抱く後手番での指しづらさを克服すべく決断した。

 終局後、永瀬は「藤井さんは前夜祭から落ち着きがなかった」と察知していたことを明かした。藤井が三段時代から練習将棋を指す間柄。永瀬の言葉を伝え聞き「前夜祭の時点で指すと決めていて、その後の展開を考えた。表に出ないように努めたのですが…」と大笑いした。

 2手目[後]3四歩は昨年6局指し、結果は11月、再び永瀬と争ったJT杯決勝まで6戦6勝。「結果は幸いしているけれど、感触としてはまだ局面や雁木に対する考え方が十分ではない。経験を踏まえて認識を深めていければ」。現状に安住しないストイックさが快進撃を支える。

 昨年指した47局を振り返り、この王将戦第5局を最も印象に残る将棋として挙げた。「後手番での雁木系に関心があった。不安も少なからずありましたが、その後も一手一手考えて指すことができた」。序盤作戦の幅を広げることを試み、手応えを得られた一方、王座の失冠を含めて中終盤のミスを自覚した一年。「全体としてうまくいかないところも多かったかな」と自戒を込めて振り返る。では、今年は?

 「(引き続き)将棋の幅を広げることで面白い将棋を追求していける一年にできれば」

 変化を求めた前期に続き、命名するなら「超変革」だろうか。今期も新境地に挑む戦いが見られそうだ。

 《8冠復帰へ「気持ちは持っている」》藤井は全8冠中、王将を含む6冠を昨年防衛し、王座は伊藤匠2冠(23)=叡王、王座=に奪われた。一昨年度に失った叡王は挑戦権争いのベスト4で敗退した。23年10月に8冠を独占後、24年6月に叡王を伊藤に奪われて254日で独占が崩れた。以来1年半。8冠復帰への意欲について「タイトル挑戦を目指す気持ちは持っている」と語った。
 叡王、王座の2冠については挑戦権争いからのスタートとなる。叡王は16強による本戦が年明けから例年開幕。王座も16強による本戦が例年4月から。いずれもトーナメント戦だけに負けると即脱落。その危うさが付きまとうだけに、8冠復帰を意識することはまだないと言う。「伊藤2冠の強さを感じるところがあった。実力を高めていくことで近づけるのだと思う」。同学年との再戦を見据えながら、まずは力を蓄える。

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