文化放送「いずみたく没後30周年スペシャル」 「魔法」にかかる3時間

[ 2022年9月19日 08:00 ]

いずみたくさん
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 【牧 元一の孤人焦点】常日頃から聞いて慣れ親しんでいる曲がある。例えば、テレビ朝日「徹子の部屋」の冒頭で流れるテーマ曲。♪ルールル ルルル ルールル…。あのメロディーを世に送り出したのは、作曲家のいずみたくさんだ。

 いずみたくさんの代表曲は「見上げてごらん夜の星を」(坂本九さん)、「夜明けのスキャット」(由紀さおり)、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の主題歌、童謡「手のひらを太陽に」、CMソング「チョコレートは明治」などなど。

 個人的には、ドラマ「飛び出せ!青春」の主題歌「太陽がくれた季節」(青い三角定規)やドラマ「われら青春」の挿入歌「ふれあい」(中村雅俊)、ザ・ドリフターズがカバーした「いい湯だな」(デューク・エイセス)などが胸に深く刻まれている。

 今月23日に放送される文化放送「日本のスタンダードをつくった男~いずみたくの世界~」(前8・00~11・00)が興味深い。

 同局の村田武之・コミュニケーションデザイン部部長は「いずみたくさんと文化放送は関わりがあり、ともに歩んだ時代があった」と話す。

 文化放送のステーションソング「QRの歌」は作詞が作家の野坂昭如さんで、作曲がいずみたくさん。1961年にザ・ピーナッツの歌唱で初公開されたが、リニューアルされたバージョンが今でも流れており、♪キュッ キュッ キュッ QR ラン ラン ラジオはQR…という歌詞とメロディーを知る人は多い。

 また、いずみたくさんは1969年6月から70年10月まで同局でレギュラー番組「いずみたく ナイト」(火~日曜前0・15~0・25)を持っていた。

 今年は文化放送開局70周年で、いずみたくさん没後30周年。同局が昨年7月、アニバーサリーイヤーの企画の一つとして「QRの歌」を大々的に復活させたことが今回の特番のきっかけだったという。

 特番は異例の3時間。村田氏は「いろいろ考えたが、取り上げたい曲があまりに多かった。歌謡曲もやりたいし、CMソングもやりたいし、ミュージカルの曲もやりたい。曲をたくさん流せば、聞いていただく方々を飽きさせることなく、3時間できるのではないかと考えた」と説明する。

 パーソナリティーはコラムニストの泉麻人氏とアンソロジストの濱田高志氏で、アシスタントは同局の鈴木純子アナウンサー。スタジオゲストは古くからいずみたくさんを知る音楽評論家の安倍寧氏、「一番弟子」と言われる歌手の今陽子。さらに作詞家の山上路夫氏、ミュージシャンの小澤時史、俳優で演出家のラサール石井、いずみたくさんの孫でシンガー・ソングライターのラブリーサマーちゃんがコメント出演。同局に保存されていた、いずみたくさんの出演番組の音源も使用される。

 村田氏は「いろんな視点から、いずみさんの作品を捉えたい。例えば『QRの歌』は『5秒で覚えてもらえるような曲を作ってほしい』という要請を受けて作られたと言われているが、それぞれの曲をひもとくと仕掛けが見えてくる。曲作りの過程や裏側が見える番組にしたい。音楽で人の心に入るというのはとても難しいことだが、いずみたくさんはそれをシンプルにやってのけた。聴く人に魔法をかけられる人だと思う」と話す。

 いずみたくさんの「魔法」にかかる3時間になりそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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