壮一帆　ピーター・パン「ダーリング夫人」役　演出・森新太郎氏の “ごっこ遊び”を追求する女優魂

ミュージカル「ピーター・パン」でダーリング夫人を演じる壮 一帆（C）ホリプロ
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　1981年の日本初演から42年目を迎えるミュージカル「ピーター・パン」にダーリング夫人役として出演する壮一帆（46）。「自分自身の今あるものを120％出せるように毎日毎日やっている」と語り、演出の森新太郎氏とは、コロナ禍で上演中止となった舞台「佐渡島他吉の生涯」から念願の出演を果たし「夢がかなった」と喜ぶ。

　森氏の演出について「本当にこれお芝居だよなっていうぐらい、汗かくんですけど。でもむしろそこも気持ちいいぐらい」と話す。場数を踏む中、「できて当たり前」という前提の下でやることも多かったというが「演出家の方がどういう風に作品を持っていきたいのか。そこをもっと知りたいし、それによって新しい引き出しも増やしていきたい。まだまだ学びたいことがいっぱいある」とどん欲。役者たちの間では「細かい」と言われるという森氏の演出も「お芝居に関しては妥協することなく具体的に言ってくださるのが、すごく私にとってはありがたくて。だから“もっと！”ってなります」と、あくなき向上心をのぞかせる。

　最も印象に残った指導として挙げたのが、森氏の「ごっこ遊びだ」という言葉。森氏曰く、本作品は「子供たちが、このピーター・パンの中に出てくる人たちを演じて遊んでいる。だから、お父さん役も、お母さん役も、子供が演じているお父さんであり、お母さん」なのだそう。子供目線で演じることに「ストンと落ちるものがあった」といい「子供が演じるから、ちょっと大人では想像つかないような動きだったり、声を発してみたりとか」と、役作りに楽しめるようになったと話した。

　東京公演は東京国際フォーラムホールCで7月23日から8月2日まで。大阪公演は梅田芸術劇場メインホールで8月13、14日開催予定。

　▽ストーリー　ダーリング夫妻（小西遼生・壮）の子供たち、ウェンディ（岡部麟）、ジョン（酒井禅功／津山晄士朗）、マイケル（遠藤希子／君塚瑠華）の部屋に、ピーター・パン（吉柳咲良）が“あるもの”を取りに忍び込んだ。ピーターは子供たちを連れ、いつまでも子供でいられる“ネバーランド”へ飛び立つ。ウェンディはネバーランドで出会った迷子たちの“お母さん”になり、タイガー・リリー（田野優花）率いる森の住人とも仲良くなった。しかし、ウェンディたちは、ロンドンの家に戻ることに。一方、フック船長（小西遼生）率いる海賊たちはウェンディを捕まえてしまう。それを知ったピーターは…。