上白石萌歌 「ちむどんどん」の歌唱 「歌子の心情の延長線上」

[ 2022年6月8日 08:30 ]

連続テレビ小説「ちむどんどん」で歌子を演じる上白石萌歌(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で、ヒロイン・比嘉暢子(黒島結菜)の妹・歌子を演じている女優の上白石萌歌(22)がインタビューに応じた。

 ──歌手として歌うことと女優として歌うことは違いますか?
 「全く感覚が違います。お芝居の中で歌を両立させるのはとても難しいです」

 ──お芝居の中では、どのように歌っているのですか?
 「その時の歌子の心情を意識して歌っています。例えば、『翼をください』は、自分の弱さ、他の人たちのように健やかに生きたいという思い、幸せを願う気持ちを歌に重ねました。その時の比嘉家の状況とリンクしていることもあるので、その場合は歌子の歌がつなぎ目になるように心掛けています」

 ──歌唱法も普段とは異なる?
 「全く違うと思います。普段は限りなく自分に近い感じで歌っていますが、役としては歌子の心情の延長線上で歌っています。歌子が緊張してうまく歌えない場面は、緊張感を足先から肩に持って来るような感覚を意識しました」

 ──どのように練習しているのですか?
 「三線を弾きながら歌う場面の時は、なるべく三線の音色に合わせて練習しています」

 ──三線はいかがですか?
 「今まで一度も触れたことがなかったので、最初は触れるだけで不安になっていました。弾きながら歌うのは、三線の音と自分の声のバランスを考えなくてはいけないので、とても難しいです。よく自宅でも、沖縄の風や海を思い浮かべながら練習しています」

 ──病気がちで引っ込み思案の歌子とご自身は異なりますか?
 「性格は幼少期の私そのままです。私は、体は丈夫だったのですが、人前に出るのが苦手で、ずっと親の後ろに隠れているような子でした。姉(上白石萌音)はすぐに人に慣れたり、人との距離の取り方が上手だったりしたので、うらやましいと思っていました。そこも、姉たちに対する歌子の気持ちと似ていると思います」

 ──幼少期に下地先生(片桐はいり)のような人と出会ったら、やはり逃げましたか?
 「そうかもしれないですね(笑)。かなり驚いたと思います」

 ──これまでの撮影で、黒島さんら共演者との楽しい思い出は何かありますか?
 「私は寝具にこだわりがあって、沖縄で長期間のロケをした時、旅先で使うコンパクトなマットレスのようなものを持っていったのですが、それを黒島さん、川口春奈さんと3人で共有したことが良い思い出です(笑)。寝具を共有したことで、凄く姉妹感が出た気がします」

 ──初めての朝ドラ出演で、現在、得ているものは何でしょうか?
 「私を役として見て頂けていることです。先日、街を歩いていたら『歌子さん!』と呼び掛けられました。1つの役を長く演じるのは大変なことですが、視聴者のみなさんから、役名で呼んで頂くのは、とてもありがたいことだと実感しました」

 ──歌子の今後の見どころは?
 「歌子はこれまで誰よりも恥ずかしがり屋で、自分の殻を破れていません。でも、いずれ、自分の人生を切り開こうとする時が訪れます。ぜひ、歌子の強さに注目して頂きたいです」

 ──また三線を弾きながら歌う場面がありますか?
 「はい。あります(笑)」

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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