EXIT兼近 震災の津波、戦争の遺体映像放送に言及 「見せない配慮は存在しているが…」

[ 2022年3月11日 15:27 ]

「ABEMA Prime」に出演した「EXIT」の兼近大樹(C)AbemaTV,Inc.
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 お笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹(30)が10日放送のABEMA「AbemaPrime」(月~金曜後9・00)に出演。東日本大震災発生から11年、津波映像を放送することの是非について述べた。

 震災報道の在り方について議論する中、津波の映像の放送をめぐっては「記憶を風化させないために映像は必要」という意見がある一方で「当時の恐怖がフラッシュバックするから嫌」という声が上がるなど、賛否がある。

 兼近は「災害のリアルを知らないと、実際にその状況に陥ったときに何もできなくなってしまうかもしれない。YouTubeでは再生する前に、見ないという選択肢があるので、むやみに“傷つけないための配慮”はあるが、『こういう悲惨なことが起きた』と次の世代へ“伝えていく配慮”が足りていないのではないか。事実を知っておくことが僕は絶対に大事だと思う」と次世代に伝えていくためにも震災の映像は放送していくべきだと持論を述べた。

 さらに「僕はジブリ映画『火垂るの墓』をみて、『戦争は恐ろしい』と学んだ。でも“空襲が怖いから戦争は恐ろしい”のではなくて、空襲が起きたことによって、どういう人たちが、どういう思いをしたかという“人間”にフォーカスした内容に触れて、『戦争は恐ろしい』ということを学ぶことができた」と実体験を語った。

 「なので、ただ津波の映像を流して『津波って怖いですよね』で終わらせるのではなく、津波の被害によってどういうことが引き起こされて、どんな人がどういうつらい思いをしたのか。一部分だけを切り取って見せる方法が今の時代はすごく多いけど、すべてを見て、知っていくことが僕は大事だと思う」と述べた。

 また、災害や戦争で命を落とした遺体の映像が日本では放送されないことについて、「日本のメディアは遺体映像を流したことで、“視聴者に批判されたくない”“視聴率が取れずに損したくない”と怖がっているのではないか」と指摘。

 「みんなに見てもらわなくてはいけない立場なので(メディアが)批判されることは当たり前だと僕は思っているが…。どのような映像を出して、そのためにどういう人に配慮すべきか。線引きをみんなで考えていくのが大事ではないか」と提起した。

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