濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」日本映画初のアカデミー賞作品賞ノミネート!計4部門で候補に

[ 2022年2月9日 05:30 ]

映画「ドライブ・マイ・カー」主演の西島秀俊と三浦透子(C)2021「ドライブ・マイ・カー」製作委員会
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 米映画界最大の祭典、第94回アカデミー賞のノミネートが8日発表され、濱口竜介監督(43)の「ドライブ・マイ・カー」が作品賞、監督賞、国際長編映画賞(元外国語映画賞)、脚色賞の4部門で候補入りした。

 日本映画として最高のノミネートで、作品賞と脚色賞は史上初。監督賞も65年「砂の女」の勅使河原宏、85年「乱」の黒澤明両監督に続く3人目の快挙だ。国際長編映画賞も、08年「おくりびと」以来の戴冠に期待がかかる。

 「ドライブ…」は村上春樹氏(73)の短編小説が原作。西島秀俊(50)が演じる妻を亡くした舞台俳優兼演出家が、専属の女性運転手と出会い再生していく物語。普遍的な人間ドラマが評価されたことに加え、米国でも長引く新型コロナウイルスの影響により製作や公開の延期が相次いだことで、21年に公開された作品の絶対数が少なかったことも追い風になったといえる。

 同作は昨年のカンヌ映画祭脚本賞を皮切りに、全米、ロサンゼルス、ニューヨークなど主要な映画批評家協会賞で作品賞を獲得。アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデン・グローブ賞でも非英語映画賞に輝くなど賞レースを席巻。日本でも毎日映画コンクールの日本映画大賞と監督賞をダブル受賞している。

 濱口監督はアカデミー賞について、今月開催された日本の映画賞の授賞式で「今の時点で十分に評価されているので素直に喜びたい。何か起きたら、ご褒美みたいなもの」と謙虚に受け止めていた。西島は吉報を受け「世界の分断から人々がつながりを取り戻す希望の道しるべが、この美しい魂の再生の物語には示されています。より一層多くの方々に届くことを願っております」とコメントを寄せた。

 授賞式は3月27日(日本時間28日)。ジェーン・カンピオン監督(67)の「パワー・オブ・ザ・ドッグ」、スティーブン・スピルバーグ監督(75)の「ウエスト・サイド・ストーリー」など大物監督の作品がずらりと並ぶ作品賞に「ドライブ・マイ・カー」が風穴をあけるか、注目は高まるばかりだ。

 ◇濱口 竜介(はまぐち・りゅうすけ)1978年(昭53)12月16日生まれ、川崎市出身の43歳。東大文学部卒。助監督などを経て、東京芸大大学院映像研究科に入学。15年に「ハッピーアワー」がロカルノ国際映画祭で注目を集めた。18年の「寝ても覚めても」はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品。「偶然と想像」は昨年のベルリン国際映画祭で最高賞に次ぐ審査員大賞に輝いた。

 ▼岡田将生 俳優部の一員としてとてもうれしく思います。これをきっかけに、さらにこの作品がたくさんの方々に見ていただけたらうれしく思います。

 ▼霧島れいか 素晴らしい報告に「やったー!」と声を上げガッツポーズをしました。この作品が国を超えてたくさんの方の心に響いているんだと、感謝とうれしい気持ちであふれています。

 ▼三浦透子 とてもうれしいです。日本映画の代表としてアカデミー賞の舞台に臨めること、本当に名誉なことと思います。作品に関わることができた自分は、本当に幸せ者だなと実感しています。

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