あなたのイチオシは選ばれたかな?ロマンポルノ50周年企画

[ 2021年9月22日 15:16 ]

スウェーデンで製作された「淫獣の宿」の一場面(C)日活
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】日活ロマンポルノの第1弾が公開されたのは1971年11月20日。白川和子主演の「団地妻 昼下がりの情事」(監督西村昭五郎)と小川節子主演の「色暦大奥秘話」(監督林功)が先陣を切った。

 それから今年でちょうど50年。日活は「ロマンポルノ50周年記念プロジェクト」と題して種々の仕掛けを発信してきたが、新たに実施するのがこちら。「私たちの好きなロマンポルノ」と題する特集上映企画だ。

 映画監督、俳優、作家、ミュージシャンら国内問わず54人の有識者が推す作品を取り上げ、11月20日からシネマヴェーラ渋谷(東京)を皮切りに全国で順次上映していく趣向。選者には柄本明と柄本佑、柄本時生の親子、片桐はいり、高良健吾といった俳優陣、瀬々敬久、園子温、白井和彌、行定勲、瀧口竜介、横浜聡子らの監督たちが名前を連ねている。

 ロマンポルノを彩った往年の人気女優たちも参加しているのがうれしい。絵沢萌子、宮下順子、谷ナオミ、田中真理、風祭ゆき、片桐夕子、寺島まゆみの面々。いずれも看板を背負った功労者だ。

 上映が決まったのはこの原稿を書いている段階(9月22日)で40本弱。「赫い髪の女」「天使のはらわた 赤い教室」など名作の誉れ高い作品はもちろん、山本晋也監督の「未亡人下宿 初のり」(78年)や、プロデューサー&監督として知られた荒戸源次郎氏が俳優として主演した大和屋竺監督の「愛欲の罠」(73年)などが選出された。

 「未亡人下宿 初のり」を推した柄本佑は「僕の中では青春映画の金字塔」と明かし、「実は劇場で観るのは初めて…誰よりも楽しみにしているのは私です」とコメントを寄せている。

 激レア作品もラインアップされた。「日活スウェーデン・ポルノ」と銘打ったシリーズで、73年公開の「淫獣の宿」(監督西村昭五郎)と「蜜のしたたり」(監督加藤彰)の2本だ。当時、性の先進国というイメージが強かった同国にスタッフを送って製作したもので、出演者はすべてスウェーデン人。48年の時を経て、デジタル復元版がお目見えする。

 大学時代にシネマ研究会に籍を置いていた筆者も研究?のためによく劇場に足を運んだものだ。とりわけ、「えっ、この人が出るの?」と目や耳を疑うキャスト情報をキャッチした時には、それだけで心がときめいた記憶がある。これは社会人になってからも変わらなかった。

 例えば、宇都宮雅代の「危険な関係」(78年)、畑中葉子の「後から前から」(80年)、高橋惠子の「ラブレター」(81年)、大谷直子の「ダブルベッド」(83年)、五月みどり(83年)の「ファイナル・スキャンダル 奥様はお固いのがお好き」(83年)、春やすこ、松本ちえこらが出演した「夕ぐれ族」(84年)、「小松みどりの好きぼくろ」(85年)、天地真理の「魔性の香り」(85年)、児島美ゆきの「不倫」(86年)、中村晃子の「待ち濡れた女」(87年)などなど。84年公開の「私の中の娼婦」に主演した田坂都が13年に亡くなったらしいと、TBS系「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターでもおなじみの女優・坂本三佳のブログで知った時は大きなショックを受けた。

 さて自分なら何を選んだだろう?そんなことを考えながら、11月のスクリーン上映を待ちたいと思う。

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