藤井3冠、フィクション超えた!将棋題材のライトノベル「りゅうおうのおしごと!」作者「凄すぎる」

[ 2021年9月15日 05:30 ]

叡王を奪取し史上最年少3冠となった藤井聡太
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 藤井聡太3冠(19)=王位、叡王、棋聖=の誕生から一夜明けた14日、将棋を題材にしたライトノベル「りゅうおうのおしごと!」の作者・白鳥士郎氏(40)が、豊島将之竜王(31)との叡王戦第5局について「凄い内容だったので感動しました」と話し快挙を祝福した。

 「りゅうおう…」は16歳4カ月で「竜王」保持者になった主人公の九頭竜八一(くずりゅう・やいち)の物語。八一は昨年8月15日に発売されたライトノベル13巻では「2冠に挑戦中」という設定だった。そのわずか5日後の20日、藤井は棋聖に続いて王位も獲得し2冠となった。16歳の若さでタイトルホルダーになった八一を快進撃を続ける藤井と重ね合わせる将棋ファン、ラノベファンも多く、注目度はうなぎ上りに。13巻表紙には白鳥氏が自ら考えた「現実に、負けるな。」というキャッチコピーが書かれた帯が巻かれていたが、藤井は軽くフィクションを乗り越えていった。

 今年2月発売の14巻で八一が2冠となり“現実”に追いついたが、藤井は羽生善治九段の持つ記録を28年ぶりに塗り替えて3冠となり、またもや引き離された。3冠誕生の瞬間は、くしくも15巻が配信される約6時間前のことだった。

 白鳥氏は「現実の藤井先生が凄すぎる」と苦笑い。「作品が藤井先生の記録に追いつくことはないと思う。元々書こうと思っていたところを自分は貫いて書いていく」と今後の作品の展開について語った。

 藤井は来月開幕の竜王戦も制覇すれば年内4冠、そして年度内6冠の可能性もある。白鳥氏は「将棋の内容でもフィクションを超えるようなものを見せていただきたいです」と期待した。

 ≪「懸垂幕に思い」地元・瀬戸市役所≫藤井の地元、愛知県瀬戸市の市役所ではこの日、史上最年少の3冠達成を称える懸垂幕が掲げられた。懸垂幕は縦10メートル、横1・2メートル。「祝 藤井聡太 王位・叡王・棋聖 史上最年少 三冠達成!」と書かれている。市役所1階には3冠を祝うパネルも設置。伊藤保徳市長は「新型コロナウイルス禍で藤井3冠を祝うイベントが開けないが、懸垂幕に思いを込めた」と話し、今後も市を挙げて応援する意向を示した。

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