名人戦 1日目午後は長考の応酬 斎藤八段は38手目に1時間32分 「西の王子」が人生初の封じ手

[ 2021年5月19日 19:01 ]

名人戦第4局に臨んだ斎藤慎太郎八段(提供・日本将棋連盟) 
Photo By 提供写真

 渡辺明名人(37)=王将、棋王の3冠=に斎藤慎太郎八段(28)が挑む第79期名人戦7番勝負の第4局は19日、長野県高山村「緑霞山宿藤井荘」で1日目が始まり、午後は長考の応酬となった。

 渡辺が「ざる蕎麦膳」、斎藤は「のど黒塩焼き膳」を選択した昼食休憩明け。先手渡辺の誘導でシリーズ3度目となった相矢倉だが、斎藤は囲いへの入城を目指すことなく32手目、中住まいに構えた。

 いかにも現代調の一手に39分を投入すると午前中、渡辺が5段目まで進出した角の利きを封じるため38手目、さらに1時間32分で守りの銀を4段目へ前進させた。8冠中、最長の持ち時間9時間の2日制という名人戦らしいじっくりした展開になった。

 渡辺も負けてはいない。41手目、金を3段目へ押し上げる一手に53分。午後6時半の封じ手時刻まで10分を切って、記録係の広森航汰三段から「残り4時間です」と告げられた斎藤は「(封じ手用紙に図面を)書いてください」と指示した。

 王座戦は2期、棋聖戦は1期のタイトル戦経験があるが2日制は初体験。「西の王子」こと斎藤が第4局で人生初の封じ手を無難に務めた。消費時間は渡辺が2時間59分、斎藤は5時間9分で2時間以上の差がついた。

 シリーズ成績は渡辺の2勝1敗。渡辺が勝って昨期初めて奪取した名人位の初防衛へ王手をかけるのか、斎藤が勝って再びタイか。終局は2日目の20日、夜の見込み。

続きを表示

この記事のフォト

2021年5月19日のニュース