役者に憧れた幼少期の正和さん 亡き父“阪妻”と「同じことやりたい」

[ 2021年5月19日 05:30 ]

田村正和さん死去

78年、写真に納まる田村三兄弟。(左から)亮、高廣さん、正和さん
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 正和さんは長兄の高廣さん、弟の亮とともに田村三兄弟として知られ、俳優界の名門の貴公子として名をはせた。

 父親は大正から昭和にかけて活躍し、日本映画界を代表する剣戟(けんげき)スターとなった阪東妻三郎。兄弟の中で正和さんだけが幼い頃から役者に憧れを抱き、9歳の時に父親が他界した際には「同じことやりたい」と、後を継ぐことを決意したという。61年、高校生の時に高廣さんも出演した映画「永遠の人」でデビューを果たした。

 高廣さんはもっとも父親似で重厚で陰影のある役を得意とした。80年の「天平の甍」では鑑真を演じ、「中国本土で最も知られた日本人俳優」となった。

 二枚目だけど悪役も演じる亮は70年、映画「無常」に主演し、ロカルノ国際映画祭でグランプリを受賞するなど三兄弟そろって活躍。三兄弟で共演した「乾いて候」(83年)もヒットして話題となった。

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