日本を代表するオペラ歌手・岡村喬生さん、死去…89歳、慢性腎不全で

[ 2021年1月9日 05:30 ]

89歳で亡くなったオペラ歌手の岡村喬生さん
Photo By 共同

 日本を代表するオペラ歌手として知られる岡村喬生(おかむら・たかお)さんが6日、慢性腎不全のため東京都内の病院で死去した。89歳。東京都出身。葬儀は親族で行った。喪主は長男康生(やすお)氏。遺族の希望で香典などは辞退する。

 早大でグリークラブに所属したのを機に声楽の道へ。バス歌手として1960~70年代に欧州の歌劇場で活躍した。

 帰国後はオペラをお茶の間に広めようと、俳優としてNHK大河ドラマ「徳川慶喜」、伊丹十三監督の映画「静かな生活」などに出演。テレビ朝日のお色気番組「ミッドナイトショー」で司会を務めたり、エッセーも執筆しマルチに活躍した。また大道具などを極力抑えたりすることで、1公演1億円近い費用がかかるオペラを数百万円で開催し、安い入場料で普及を図る「省エネオペラ」の取り組みでも知られた。

 2011年にイタリアで、プッチーニ作曲のオペラ「蝶々夫人」の日本文化への誤解を正した改訂版を上演し、プッチーニ賞を受賞した。「NPOみんなのオペラ」芸術総監督。著書に「ヒゲのオタマジャクシ世界を泳ぐ」など。

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2021年1月9日のニュース