宇梶剛士 自身のルーツに迫る意欲作「永遠ノ矢」脚本&演出を担当

[ 2019年6月24日 06:05 ]

舞台「永遠ノ矢 トワノアイ」の脚本・演出を担当する宇梶剛士
Photo By 提供写真

 俳優宇梶剛士(56)の意欲作が今夏に上演される。主宰する劇団「PATHOS PACK(パトスパック)」の舞台「永遠ノ矢(トワノアイ)」。脚本と演出も担当する。

 主人公は自身と同じくアイヌ民族にルーツを持つ若者。この青年が北の大地で出会う人々との交流を通じ、自分の存在の不確かさに気付き、もがく姿を描く。現代と過去をシンクロさせるのが宇梶の作品の特徴で、今作も現代からアイヌ民族が暮らす遠い昔へさかのぼるスケールの大きなものになる。宇梶は俳優としても北海道に住む男として登場する。

 宇梶の母、宇梶静江さん(86)は北海道浦河町出身でアイヌ文化の継承を続けている絵本作家。宇梶にとってもアイヌは大きな意味を持つテーマで、題材にした舞台作品を手掛けたのは1993年の「偽エカシの筏」以来26年ぶりとなった。前作より一層取材や資料の読み込みを進め、細部にもこだわって作品を作り上げている。「地球上にはさまざまな人種、民族が暮らし、彩りを持っている。それぞれの色がより彩りをなすような地球であってほしい。そんな思いを込めました」と話している。

 東京公演は座・高円寺1で8月8~12日、静岡公演は清水文化会館で8月21、22の両日行われる。

続きを表示

2019年6月24日のニュース