青木崇高 理想の俳優像は「“僕”がなくなること」 16年に優香と結婚「日常を大切に」

[ 2018年11月18日 09:30 ]

俳優としての顔がなくなることが理想と語る青木崇高(撮影・会津 智海)
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 【俺の顔】青木崇高(38)は、俳優としての顔がなくなることを理想とする。役を演じるのではなく、役の人物そのものとして伝わり作品世界の一部になることが究極という。怪演と話題のNHK大河ドラマ「西郷どん」に続き、出演映画が相次いで公開。有名になるほど己を消す作業が難しくなる矛盾を自覚しながら、さらなる高みを目指して挑戦を続けている。

 身長1メートル85の恵まれた体躯(たいく)に精かんな顔つき。「よく言われます」という目力が強く、存在感は抜群だ。「西郷どん」では薩摩藩の国父・島津久光を熱演し、ネット上などで「怪演が凄い」、「顔芸がエスカレートしてきた」と大反響となった。

 「そう言っていただけるのはうれしいですし、否定的なものも的を射ていれば勉強になりますから。いいことは耳に聞こえやすいですけれど、裸の王様にならないためにも厳しく言ってもらえることも参考にさせてもらうことがあります」

 面接を受けて事務所に入り、2002年にデビュー。07年のNHK朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」で注目され、着実に実績を積み上げているがターニングポイント的な考え方はせず、俳優であることすら意識していないという。

 「変に肩書を考えてそれに振り回されるのも怖いですし、役者だからこうしなきゃいけないという考えが付きまとうのが作品に出ることにおいて一番遠回りな感性だと思っています。社会的ポジションでいうと役者になるという認識はもちろんありますが、あまり興味はないです」

 日常で得られるものを大切にしながら、作品選びは人生の時間をかけて向き合い納得がいくかどうかが指針。しっかりとモチベーションを持てる要素を見つけたら飛びつくそうで、その1本が映画「来る」(12月7日公開)だ。中島哲也監督(59)とは「渇き。」以来のタッグとなる。

 「台本を読んで、すげえ、とんでもない作品だと思い、これを中島監督がどう撮るんだろうというところにとにかく興味がありました。中島監督は映像のスタイリッシュさをよく言われますが、その奥にある人間関係がしっかり渦巻いていてそれが魅力的に映る。自分の想像をはるかに超えるイメージを持っていらして、どんどん驚かされいろいろな知らない世界に連れていってくれる。その中で自分の体を使った表現が使われるのが凄くうれしい」

 不可思議な現象に襲われる高校時代の親友(妻夫木聡)から相談を受け、オカルトライター(岡田准一)を紹介する民俗学者という謎めいたキャラクター。このように静かながら裏がありそうな役から、「西郷どん」のようなはじけたキャラクターまで、実に振り幅が広い。

 「振り幅という概念は、真ん中に僕がいるわけじゃないですか。そう言われているうちはまだまだですよね。理想としては、僕というものがどんどんなくなる方がベストだと思います。現実的には難しいところはありますけれど、気づかれずに“何なの?この人”と言われるのが気持ちいい。究極的には役者という概念がなくなるのが一番ですね」

 役者の売りである顔すら「表面のパーツの構成やバランス」にすぎないと話す。ドラマで、フィリピンの残留日本兵・小野田寛郎氏を日本に連れ帰った冒険家の鈴木紀夫氏を演じた際、人はその奥にある雰囲気を見ていると実感したことがある。

 「顔は似ていなかったんですけれど、鈴木さんの奥さんやお母さんら関係者の方が凄く似ているとおっしゃってくださったんです。顔はファーストインプレッションですけれど、受け取る側の構え方で変わっていくのが興味深い」

 16年にタレントの優香(38)と結婚し、大切にしている日常にも変化があった。

 「独りでのらりくらり生きているのとは情報量が変わりますし、感情、価値観においても変化を意識するようにしています。日常から得られるものは圧倒的なので、より大切にしていきたいと思いましたね」

 米ニューヨーク留学を機に始めた英語の勉強も地道に続けており、海外への挑戦も視野に入れている。役者の概念をなくす果てしない旅へ。青木のさらなる進化が楽しみになってきた。

 ◆青木 崇高(あおき・むねたか)1980年(昭55)3月14日生まれ、大阪府出身の38歳。02年、映画「マッスルヒート」で俳優デビュー。06年、NHK「繋がれた明日」で初主演。07年、オーディションでヒロインの結婚相手となる落語家役を勝ち取った「ちりとてちん」で一躍注目を浴びた。主な主演作は、映画「雨にゆれる女」など。16年、ドラマ共演がきっかけで交際していた優香と結婚した。

 ≪同世代・岡田と共演「不思議な感覚に」≫「来る」では岡田、妻夫木ら同世代と演技を戦わせ「僕がビデオ店でバイトをしている時からバリバリの第一線でやっている人なので、不思議な感覚がありながらも楽しくやりました」と振り返る。さらに「初めてでもないので、互いに柔軟な距離感でリアリティーのある会話になった」と手応えを強調した。完成した作品はまだ見ていないが、「本当に素晴らしい作品になっていると思う。超、楽しみっす」と笑った。今月30日には「かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発」も公開される。

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