山崎隆之八段 所属一門12戦目で藤井聡太七段に初勝利「よかったです」

[ 2018年9月14日 21:42 ]

大阪市内の関西将棋会館で行われた王位戦予選2回戦で山崎隆之八段(右)に敗れた藤井聡太七段(左)。左から2番目は終局後、対局室を訪れた山崎八段の弟弟子で、同じ森信雄七段一門の糸谷哲郎八段
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 14日に大阪市内の関西将棋会館で指された王位戦予選2回戦で、最年少プロ棋士・藤井聡太七段(16)を破った山崎隆之八段(37)。これまで所属一門の対藤井戦成績が0勝11敗だっただけに「よかったです」と連敗ストッパーになったことを喜んだ。

 藤井と言えば史上最多29連勝を思い浮かべる人も多いが、山崎も同4位、21世紀に限れば藤井に次いで2位という22連勝(02〜03年度)の記録を持つ実力派だ。ただ、それ以上に注目されたのが森信雄七段(66)の一門所属ということ。

 森一門はA級棋士の糸谷哲郎八段(29)を始め、総勢11人の現役棋士を擁する関西の一大勢力。ただ、藤井を苦手としており、これまでことごとく苦杯を喫していた。

 かつて藤井がまだプロ棋士養成機関の奨励会にいた時代、同会幹事を担当していた山崎。その将棋を目の当たりにするチャンスがあったが「注目されていたし、興味はあった。でも、逆に見ちゃいけないと思って…」。当時はあえて“研究”することを避けていたという。

 実質、プロになってからの2年間の姿しか知らないが故に「急激に強くなってびっくりした。1〜2年でそんなに強くなることはあまりないので」。そのため、この日の初手合いを前に「ちょっとでも弱気になると踏み込まれる気がしていた。経験で勝負するしかないと思っていた」ことも明かした。

 これまで一門が誰も勝っていなかったことについて終局後、質問が飛ぶと「みんな負けていてくれたので、逆にやりやすかった」。ただ、仲間の存在が背中を押していたようで「何とか出来たら…早いうちに1勝を返したいなあと思っていた」とも語り、安どの表情も浮かべていた。

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2018年9月14日のニュース