ミスター笑点 歌丸さん 初回から50年間出演 落語界隆盛の立役者

[ 2018年7月3日 06:07 ]

桂歌丸さん死去

2016年5月の日本テレビ「笑点歌丸ラスト大喜利スペシャル」の生放送で司会を務め、番組を卒業した桂歌丸(前列左2人目)と記念撮影する(前列左から)林家木久扇、1人おいて、後任の6代目司会者春風亭昇太、三遊亭好楽(後列同)林家たい平、三遊亭小遊三、三遊亭円楽、山田隆夫
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 歌丸さんは二つ目時代の1966年5月、「笑点」の放送開始時から大喜利の回答者として出演。大喜利でのライバルだった三遊亭小円遊さんと「ハゲ!」「お化け!」などと言い合う罵倒合戦は名物となり、番組人気の原動力となった。司会だった先代三遊亭円楽さんをからかう毒舌でもお茶の間を笑わせ、落語ファンだけでなく広く大喜利や落語の魅力を届けた。

 06年5月に円楽さんから引き継ぎ、5代目司会者に就任。六代目円楽(68)から辛口のツッコミを受ける掛け合いも人気で、国民的番組を司会者としてけん引した。

 病気療養のため長期間番組を休むこともあり、16年5月に「体力の限界」を理由に勇退。“笑点愛”による決断で、会見では「若い方々にお譲りして番組を60年、70年と続けていきたい」と願った。

 司会を継いだ春風亭昇太(58)は訃報を受け都内で対応。司会に決まった際、歌丸さんから「気にせず、昇太さんらしくやってくださいね」と声を掛けてもらったと振り返り「番組を明るくやるのが一番喜ぶので、残念だけど楽しくやっていきたい。(落語に情熱を持っていた歌丸さんの)かっこいいところを覚えています」としのんだ。

 番組で歌丸さんの体調の悪さも笑いに変えていた円楽は「とうとうしゃれにならなくなりました」とコメント。6月20日に見舞った際には話ができたといい「本当の父親、育ての親の先代。守ってくれた最後の父親との別れです。楽さんと呼んでそばに置いてくださってありがとうございました。頼る人がいなくなりました」と大きな喪失感を明かした。

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