「バイプレイヤーズ」劇中劇が朝ドラの理由 “発案”は遠藤憲一 ユニーク設定次々に

[ 2018年2月7日 08:00 ]

浅野敦也プロデューサーインタビュー(中)

テレビ東京「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」でサバイバル生活を送る(左から)光石研、松重豊、遠藤憲一、田口トモロヲ、大杉漣(C)「バイプレイヤーズ2018」製作委員会
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 名脇役たちが再び本人役で共演するテレビ東京の連続ドラマ「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」(水曜後9・54、全5話)は7日、スタートする。約1年ぶりの復活となり、深夜枠(金曜深夜0・12)からプライム帯(午後7〜11時)に昇格。前回に続いて企画を担当し、今回は演出も手掛けるドリマックス・テレビジョンの浅野敦也プロデューサーが朝ドラ&無人島という“異色の設定”が生まれた経緯を明かした。

 昨年1〜3月に放送された前作「〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」に続き、遠藤憲一(56)大杉漣(66)田口トモロヲ(60)松重豊(55)光石研(56)=アイウエオ順=が出演。寺島進(54)はスケジュールが合わず、今作は休む。

 前作は、6人が共同生活を送る“おじさんだらけのテラスハウス”として話題に。今作は、テレ東制作の朝ドラ「しまっこさん」で共演することになった5人がロケ地を間違えて無人島に漂流し、サバイバル生活を送るというストーリー。

 注目は朝ドラ&無人島の設定。前作は劇中劇で、遠藤と松重がドラマ「相方」でダブル主演、光石がドラマ「W不倫の悲劇」に出演、寺島と田口が特撮映画「劇場版 孤独戦士サムライ嬢」で共演するなどし、名脇役たちはシェアハウスから別々の撮影現場に向かっていた(6人全員としては、学園ドラマ風ミュージックビデオ『ドキドキ大好き!フケメン パラダイス』に出演)。

 浅野氏は「今回はまず、5人が1つの作品に参加している設定にしようと、スタッフの中で決めました。同じ作品なら、その撮影現場でも5人がバラけることなく、同じ空間にいるので、5人一緒のシーンがたくさん楽しめる。そうなると、その作品は連続ドラマか、大作映画。前回のシェアハウスも千葉・館山だったので、今回も地方がいい。地方ロケの宿泊場所で共同生活をしていることにしようと。地方なら、いっそ離島がおもしろいと思いました」と叩き台を考えた。

 そのアウトラインを基に、5人と個別に“企画会議”。「地方ロケの設定で、どんな話をしたいか。1人1人のご意見をうかがい、制作サイドで集約する方法を採りました」。ちょうど遠藤が17年後期のNHK連続テレビ小説「わろてんか」に出演中。「朝ドラがいいんじゃないの?」。遠藤との話し合いから「朝ドラ」というキーワードが飛び出した。

 浅野氏は「夜に放送するドラマなのに設定が朝ドラというのがおもしろいですし、そうなると、テレ東が“朝ドラ戦争”を仕掛けたという切り口もある。(劇中劇の)朝ドラのレギュラー出演者が『バイプレイヤーズ』のメインゲストになる構造もおもしろい。毎回、5人が朝ごはんを食べながら(自分たちが出演している劇中劇の)朝ドラを見るというシーンも作れる」と次々にアイデアが生まれたことを明かし「こういうパッケージ感になりました」。もう1つインパクトがあった方がいいと、離島は無人島に。サバイバルの設定が加わった。

 劇中劇の朝ドラ「しまっこさん」のヒロインは本田望結(13)。母親役に吉田羊(年齢非公表)、担任教師役に岡田将生(28)、ベールに包まれた“謎の役”に役所広司(62)小日向文世(63)らと本家NHK連顔負けの豪華キャストが集結。テレビ東京の濱谷晃一プロデューサーも「この朝ドラが本当にテレ東で放送されていたら、それだけでもビッグニュースだと思うのですが、まさかの劇中劇だなんて贅沢すぎます」と驚いている。

 過疎化が進む南の島にやってきた少女・花崎志麻子(本田)は、土地の守り神の精霊“しまっこ”たちと出会い、島民の優しさに触れる。やがて島を守るため、廃校寸前の学校を存続すべく教師になっていくという少しファンタジックな青春物語。浅野氏は「本編を凌ぐほど『しまっこさん』にも力を入れています」。劇中劇の行方も期待が高まる。

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