「とんねるずのみなさんのおかげでした」30周年 遊び心が生んだバラエティーの新境地

[ 2017年9月27日 05:30 ]

インタビューに応じた「とんねるず」の石橋貴明(左)と木梨憲武
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 お笑いコンビ「とんねるず」がレギュラー出演するフジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」(木曜後9・00)の30周年記念スペシャルが28日に放送される。石橋貴明(55)と木梨憲武(55)が放送を前に2人そろってスポニチ本紙のインタビューに応じた。

 1988年に「とんねるずのみなさんのおかげです」としてレギュラー放送が始まってから30年目。石橋は「そんなにたったんだなというのが正直な気持ち」。木梨も「毎週、淡々と収録をこなしてきてるから」と自然体で受け止めている。

 同局ゴールデン・プライム帯の最長寿バラエティー。テレビ史に残る、数々の人気キャラクターや名物コーナーを生み出してきた。大切にしてきたのは「テレビを自分たちの楽しい遊び場所にすること」という。

 例として挙げたのが、98年に大道具や衣装スタッフらとともに結成した音楽ユニット「野猿」。思い出づくりとしてスタートしたが、シングルをリリースすると大ヒット。99、00年のNHK紅白歌合戦にまで出場した。石橋は「踊るヤツがいないから、おまえらやれみたいなところから転がっていった。あんなの真面目に企画しても無理。ヒットなんて遊びの延長線上にあるんじゃないか」。木梨は「とんねるずスタイルは変えようもない。その中で遊ばせていただいてるだけ」と語る。

 収録現場で30年間、変えていないこともある。制作費から出される弁当をできるだけ豪華にすることだ。「番組のスタート当初、朝から夜中まで撮影をやっていて、スタッフが立って飯を食っていた。せめて弁当ぐらいいいもの出そうよと。30年間、他局のバラエティー、ドラマを含めても最高の弁当を出してきた」(石橋)。「ウチの弁当がいいって、ほかの番組からパクリに来るヤツもいたほどでしたね」(木梨)

 番組の持ち味でもある“仲間意識”に根ざした笑いは、この気遣いから生まれているのか。石橋は「制作費はカットされてるけど、この部分を変えると終わっちゃう。1年生スタッフもスタジオに入ったら全員がプロ。同じ釜の飯を食っていれば、その意識は保たれる」と持論を語る。

 大物相手でも物おじせず、突っ込んで笑いを取ってきた2人も55歳。30周年スペシャルではタモリ(72)やビートたけし(70)らと共演。「ああいう怪物がいる限り頑張らにゃあいかん」(石橋)。「とんねるずらしさを大切にやっていく」(木梨)。これからもバラエティーの新しい形を見せてくれそうだ。

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