肺炎などで入院の桂歌丸が退院 復帰に意欲も今月いっぱい休養

[ 2017年5月16日 05:30 ]

落語家の桂歌丸
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 肺炎などのため横浜市内の病院に入院していた落語家の桂歌丸(80)が13日に退院したと15日、歌丸が会長を務める落語芸術協会が発表した。歌丸は報道各社に芸協を通じてファクスを送付。「皆様方からの多数の励ましのお手紙を頂きまして、大変心強く感じました」とファンに感謝した。

 落語芸術協会によると、歌丸は細菌性肺炎のほかCOPD急性増悪、C02ナルコーシスで入院。2009年から肺気腫を患い、最近は日常生活でも外出では酸素ボンベが欠かせない状態で、今回はボンベから吸入する酸素を過剰に摂取したことにより、C02ナルコーシスという症状を起こし、肺炎を誘発した。咳(せき)や痰(たん)によって呼吸困難になる持病のCOPD急性増悪の症状も出たという。

 関係者によると、先月16日に入院した際は肺が広範囲で白く濁り、かなりの重症だったが、4月末にはほぼ肺炎の症状は治まった。点滴治療で35キロまで落ち込んだ体重は、食事を取れるようになってから次第に増加し、36・5キロまで増えた。

 歌丸は「しばらくは自宅にて療養し、体と相談しながら復帰を目指したいと思っております。また各落語会でお会いできますことを心待ちしております」と復帰に意欲を示している。今月いっぱい休養するとみられる。

 ≪二酸化炭素たまり意識障害も≫肺の酸素不足によって起きる意識障害などを「C02ナルコーシス」という。歌丸のケースは、担当医から指示されていた毎分2〜3リットルを超える酸素をボンベから体に取り込もうとしたことが原因とみられる。人間の体は酸素を与えられすぎると、酸素が足りていると勘違いをして呼吸を休んでしまい、二酸化炭素が排出されず体内に充満する。それが意識障害を引き起こし、唾液などが食道に入らず気管に入って肺に炎症が起きることがある。歌丸の今後の療養について、関係者は「担当医から指示通りに酸素を吸入し、安静にしていれば問題ないと言われている」としている。

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2017年5月16日のニュース