茂木健一郎氏、愛ちゃんと対戦相手をねぎらう「卓球はチェスに似ている」

[ 2016年8月11日 12:35 ]

脳科学者の茂木健一郎氏

 脳科学者の茂木健一郎氏(53)が11日、自身のブログを更新。卓球女子シングルス3位決定戦で惜しくも敗れた福原愛(27=ANA)と、対戦相手の北朝鮮キム・ソンイ(22)の、双方の気持ちを斟酌し熱戦を称えた。

 茂木氏は「愛ちゃんの熱戦と、タオルの号泣と。」と題して、「愛ちゃんの3位決定戦、感動しました」と切り出した。「相手の北朝鮮の選手も、カットをしながら時々烈しく攻めてくるスタイルで、迫真の勝負でした。あのような高度な技術を持った選手同士の闘いになると、卓球は、『チェス』に似ているなと思いました。サーブでどこに出し、どのように(回転をつけて)返し、それに対してどう打ち返すか。その『選択』によって、相手に対する攻撃、防御の順列組み合わせが変化し、ミスの確率が変動し、決定する予見も変わる。愛ちゃんが、試合終了直後のインタビューで、『早く戦術を切り替えればよかった』と答えていたのが、印象的でした」と語り、2人の激闘を“盤上の格闘技”チェスになぞらえた。その上で、「ほんとうに素晴らしい試合でした。愛ちゃん、お疲れ様でした!次は、団体戦ですね!!!」とエールを送った。

 さらにその一方で、対戦相手、キム・ソンイ選手にも言及。「そして、どのような戦術をとるか、探らなければならなかった、相手の北朝鮮の選手。銅メダルが決まって、椅子に座り、タオルで顔を覆って号泣している表情が、印象的でした。国のかたちはいろいろあれど、生身の人間に接することで、私たちは何かを感じます。彼女が、国際大会にほとんど出ないまま、今回、オリンピックに出場するまでの、人間としてのドラマ、さまざまな思いが、あの、タオルの号泣に象徴されていると感じました」と語り、人それぞれ背負っているものの背景をにじませる、印象的なシーンに思いを寄せた。そして最後は「スポーツって、やっぱり、いいですね!!!」と、気持ちよく締めくくった。

続きを表示

2016年8月11日のニュース