石田純一“野党4股”なら出馬OK 本命は4年後の「五輪知事」か

[ 2016年7月9日 05:30 ]

大勢の報道陣の前で意気込みを語る石田純一。カメラのフラッシュが足元を照らす

 東京都知事選(14日告示、31日投開票)の出馬を検討していたタレントの石田純一(62)が8日、都内で会見し、「野党4党の統一候補になるならぜひ出たい」と条件付きで出馬する意向を表明した。芸能界きってのプレーボーイらしく“野党4股”ならOKという異例のお願い。候補者乱立の戦いの中、ポスト舛添を見据えたしたたかな計算があった。

 出馬の条件は衝撃の“4股”だった。

 護憲派の市民団体の要請を受けて会見。参院選で共闘する民進、共産、社民、生活の各党が都知事選の統一候補をなかなか示せない中、石田は「野党4党の統一候補になるならぜひ出たい」と公開ラブコール。“野党4股ならOK”という態度を明確にした。自身が統一候補に選ばれる可能性は「10%以下」と低く見積もったものの、別の人が統一候補になっても「応援に回る」と援護射撃を約束した。

 メディアへのアピールは会場入りから十分だった。緩んだネクタイと、はだしに革靴といういつものいでたちで徒歩で会場のビルへ。会見では、まるで女性を口説くように質問者の目をしっかり見つめ、柔らかい受け答え。統一候補の人選が混迷を極めており「急転直下、なにか大きな流れができたら野党共闘というのも可能かなと思った」と明かした。

 なぜ参院選2日前の電撃表明になったのか。実は半年以上前に、親しい仲間に「舛添さんの後は僕がやる」と明言していた。まだ舛添要一前都知事に「政治とカネ」の問題が起きる前。ポスト舛添はイコール「東京五輪の都知事」の意味だった。

 同時期に、民進党の蓮舫代表代行ともひそかに会っている。会見でも「今年初めに会って、民進党はどうしたらいいという会話をした」と意見交換を認めた。東京に大票田を持っている蓮舫氏とは実は1992年にテレビ番組で一緒に司会を務めた20年以上の友人。一方的な条件付き出馬表明に野党各党からの反発が予想された中、都知事に出馬する上で最も強力なカードを持っていた。

 石田は会見で「一番重要なのは勝ち負けより野党の共闘」と目的を説明。実際、「どっちに転んでもOK」(石田の友人)という姿勢で臨んでいる。それは元々の狙いが「東京五輪都知事」だからだ。五輪の話題も「みなさんと同じように前向きに明るく捉えていきたい」と肯定した。

 石田の勝算は、今回の勝ち負けではなくて「政治家・石田純一のイメージを世間に持ってもらうこと」と石田の知人は言う。このタイミングで大きな布石を打てたことは間違いなく、五輪本番直前の次回都知事選でも、早い段階で名前が取り沙汰されるのは確実だ。かつて「不倫は文化」で名をはせた芸能界きってのプレーボーイ。政界に打って出た本当の本命は東京五輪。“石田の乱”は半年前から水面下で動いていた。

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