“逆転の発想”限られた撮影で会話劇生かした「悪党たち…」

[ 2016年2月10日 11:20 ]

(左から)黒川芽以、ムロツヨシ、山崎育三郎。主要キャストの会話劇が売りの「悪党たちは千里を走る」(C)TBS

 スピーディーな展開が特徴的なTBSの深夜ドラマ「悪党たちは千里を走る」(水曜後11・53)。番組の売りでもあるそのスピード感を生み出す主要キャスト3人の会話劇は、“逆転の発想”から生まれたものだった。

 30分ドラマとあって、CMを除いた正味の放送時間は23分程度しかない。さらに高杉篤郎(ムロツヨシ=40)、園部優斗(山崎育三郎=30)、三上菜摘子(黒川芽以=28)の主要キャスト3人によるめまぐるしい会話劇が、物語にメリハリをつけている。

 この3人のやり取りが交わされるのは高杉の自宅マンション。ここまでドラマの大半をマンションのシーンが占めているが、これには裏事情があった。池田克彦プロデューサー(P)は「予算が厳しいので、撮影を効率化して撮らないといけない。そのためにセットを作りました。ロケをやるより長時間撮影できますし、お芝居にも集中できるんですね。(あちこちで撮影できないことを)逆手に取って、そこでずっと撮影しました」と明かす。

 ムロについては「垣根を作らない人」と表現。「ここはこうやったらどうですかとどんどん提案してくれますし、こちらの意見も尊重してくれますし。同じものを作るという目線で接してくれるので、彼に引っ張られて育三郎くんも芽以さんもすごいやりやすい環境になっている気がしています。座長として番組を良くしようと声がけしてくれますし、現場を明るくしてくれます」と存在感の大きさを強調した。

 サスペンスにユーモラスなムードが加わったのもムロの力が大きい。「生来の喜劇役者であるムロさんがお芝居でムロツヨシらしさを足してくれている」「ムロさん見ていたら思わずクスっと笑えてちょっとドキドキする」とムロに絶大な信頼を置いている池田P。高杉という役はムロしかいなかった?と尋ねてみると「思います。心から思います。感謝しかないですね」と力を込めた。

 ムロ演じる高杉篤郎らが思わぬところから誘拐事件の犯人にさせられてしまうユーモラスサスペンス。10日に放送される第4話では、高杉が誘拐犯のジョン・レノンに成り代わり、巧(大西利空)の両親に身代金要求の電話をかける。真犯人のジョン・レノンは一体だれなのか、園部と菜摘子がお互いを疑いだし、3人の仲間割れが始まる――。

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2016年2月10日のニュース