「みなさんのおかげ」支える自負と熱量 夢のない時代に「夢のある仕事を」

[ 2015年12月24日 10:36 ]

新企画「とんねるずサンタ」のワンシーン(太田プロデューサー撮影)

フジテレビ太田プロデューサーインタビュー(下)

 24日のフジテレビ系「とんねるずのみなさんのおかげでした超豪華クリスマス爆笑2時間半SP」(木曜後9・00)で、1年2カ月ぶりに復活する人気コーナー「2億4千万のものまねメドレー選手権」と新企画「とんねるずサンタ」が放送される。新企画への思いや、番組への情熱について同局の太田一平プロデューサーに話を聞いた。

 ――「とんねるずサンタ」はクリスマスイブにとんねるずの2人がサンタになり、とんねるずに会いたい芸能人や一般人の願いをかなえるために全国各地を訪ねる新コーナー。企画の手応えはどうですか?

 「おかげさまで、笑いあり涙ありの感動的なものになりました。ウチの番組として、これまでの企画とは違った珍しいものができましたね。一般の方以外にも、とんねるずさんに是非とも家に来てもらいたい?という芸能人の家庭にもお邪魔しました。訪れた場所の人たちに喜んでもらえると、うれしいですよね。こちらも非常に勉強になる、勇気をもらえたロケになりました。とんねるずらしい温かくて面白い仕上がりになったと思います」

 ――ロケを通じて勇気をもらえたというのは?

 「テレビって最近、夢のない時代になっているじゃないですか。若い人たちがあまり見ないだとか、お笑いの番組は林立していたり…。ですが、ロケを通じて番組が好きだという人たちと出会い、勇気をもらえましたし、テレビっていいなって思いました。僭越(せんえつ)ながら番組をつくっている僕らがそう思えたので。少しでもハッピーで面白いものがお茶の間に伝わってくれればいいなと思っています」

 ――若者のテレビ離れなど、テレビが夢のない時代だと言われていますが?

 「制作マンに限らずテレビ局や、媒体に入った人って、その業界に行きたくて入ったんだと思います。僕らが過去に『こういう仕事したいな』って夢を持っていた職場の感じというか…僕らが昔憧れていたようなものを、今もちゃんとつくることが義務なんだろうなと。そうしないと多分、僕らより若い人たちが、テレビっていいなとか、俺は新聞記者になりたいなとか、雑誌のエディターになりたいなって思わなくなるんじゃないかなと。ですから、安い言葉ですけど、僕らが夢のあるというか『番組面白いなあ。いいなあ、こういう仕事って』って思ってもらえるような番組をつくらないといけない。僕たちが諦めてはいけないなと常に思っています。実際にそれができているかは分かりません。ですが、そういう気持ちは制作マンみんなが持ってやっています。現状を憂いていてもしょうがないですし、まだまだ可能性があるわけですし、僕たちも楽しんで探した面白いことを視聴者にしっかりとお届けするのが使命だなと思っています」

 ――とんねるずの2人とスクラムを組んで「テレビっていいな」と思える面白さを追求し続けるのですね?

 「一緒にアイデアを考えさせていただいたり、収録の合間に『どうしたらもっと面白くなるかな』とか、収録後に『今回の面白かったね』とか、そういうやり取りをいっぱいさせてもらえるのは制作マンとして非常にありがたいなと思っています。ウチの番組は今年の秋で28年目です。僕は番組に2004年に来て11年お世話になっているんですけど、仕事で関わる前から番組をずっと見ていました。現場でやらせてもらっているスタッフがほぼそうだと思うのですが、みんなウチの番組が大好きなんです。『みなさんのおかげでした』はこうあってほしいという思いをそれぞれ持っている。根っこの部分に番組への思いがあるから、熱量があり、とんねるずの話を聞いたり、面白がってくれそうなものを一緒に探す時が一番気持ちが盛り上がって楽しい時ですね。実際に演じる、画面に出てもらう方の率直な意見を聞くのって、システマチックに番組をつくっているとなかなかできないと思う。だから、とんねるずさんと率直な意見交換ができるのはありがたいです」

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