芥川賞効果!ピース又吉「火花」100万部超!異例40万部増刷

[ 2015年7月18日 05:30 ]

芥川賞を受賞した「火花」が100万部を突破したピース又吉直樹

 人気お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(35)が、中編小説「火花」で第153回芥川賞を受賞してから一夜明けた17日、出版元の文芸春秋は同作について64万部からの大幅な増刷を決め、累計発行部数が104万部になると発表した。新人作家のミリオンセラーは極めて異例。低迷にあえぐ出版界の救世主となりそうだ。

 一気に40万部の増刷を決めた文芸春秋は、「数としては異例の増刷と言っていい」と“芥川賞効果”を口に。理由については「単純に書店からいっぱい注文が来たから」と説明し「ますます増刷がかかる予感はする」と手応えを語った。

 都内各地の書店では「火花」が山積みに。売り切れ店も続出した。三省堂書店神保町本店営業企画室の内田剛課長(46)は「出版界にとってここ数年で最大のニュースの一つ。本は枯渇状態になるのでは」。インターネット通販大手アマゾンの在庫もなくなった。過去最大の落ち込みにあえぐ出版界の関係者からは、状況打開を期待する声が多数上がっている。

 又吉はこの日、文芸春秋掲載用の受賞者コメント取材以外の仕事は入れず。つかの間、受賞の喜びをかみしめたようだ。

 関係者によると、16日夜の表彰式終了後は出版社主催の祝賀会に参加。作家の呼びたい人物を招くことができるもので、又吉は同居人でもあり「火花」の執筆時にアドバイスを求めた“最初の読者”でもある「パンサー」向井慧(29)と「ジューシーズ」児玉智洋(35)を会場に呼んだという。

 向井、児玉ら又吉の知人数人やスタッフら20人足らずで行われた祝賀会は、日付が変わった午前2時半ごろまで続いた。又吉は一部の知人とタクシーに乗り合わせ、夜の街へ消えた。関係者は「朝まで祝杯を挙げていたらしいです」と話す。

 授賞式では、敬愛する小説家である太宰治の墓参を希望していたが、この日、墓地のある東京都三鷹市の禅林寺には足を運べず。所属事務所によると「仕事の合間を縫って、近々に行きたいと話している」というが「時の人ということで、ゲストのオファーをたくさんいただいているが、ほぼお断りしている状態」といい、芥川賞効果で当分は多忙を極めそうだ。

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