じゃんけん効果!?「めざましテレビ」好調の理由

[ 2015年7月1日 12:03 ]

「めざましテレビ・第2部」の出演者

 乱立する民放朝の情報番組で長年トップに君臨しているのがフジテレビ系「めざましテレビ」だ。2014年の年間平均視聴率は10・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区 以下同)と、6年連続で民放同時間帯首位を獲得した。好きなアナウンサーランキング1位枡太一アナの人気や、速水もこみちの「MOCO’sキッチン」が好評の日本テレビ「ZIP!」の猛追も激しく、昨年9月第1週の平均視聴率では初めて「めざまし」を上回るなど熾烈なライバル争いが続いている。しかし今年4月からの動向を見ていると、どうやら「めざましテレビ」の勢いが加速してきている。その原因を探った。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象3000人)によると、民放4局で放送している朝の情報番組「めざましテレビ」(フジテレビ)、「ZIP!」(日本テレビ)、「グッド!モーニング」(テレビ朝日)、「あさチャン」(TBS)で、今年1月~3月の視聴数と、4月~6月第3週までの視聴数の伸び率トップは「めざましテレビ」で7・63%。次いで「グッド!モーニング」が1・03%で、「ZIP!」と「あさチャン」はそれぞれ-1・19%、―8・78%と数字を下げた。やはり「めざましテレビ」は4月以降大きく視聴数を伸ばしているようだ。ではその理由は何か。

 「めざましテレビ」は、昨年10月改編時に三宅正治アナ、生野陽子アナ、加藤綾子アナの3人体制から、三宅アナ、加藤アナの2人体制へ変更したが、4月改編で司会者の大きな変更はなし。増えたのは意外にも「めざましじゃんけん」だった。

 「めざましじゃんけん」は番組内の決まった時間に設けられている、データ放送と連動した視聴者参加型のミニコーナー。じゃんけんの勝敗によってポイントが獲得でき、ポイントがたまるとプレゼントに応募できるというもの。テレビとじゃんけんをする、ただそれだけのコーナーだが、番組内では「めざましじゃんけん」の開始時間を随時アナウンスすることで期待をあおり、コーナーが始まると自動的にテレビ画面にじゃんけんボタンが登場し、ついつい参加してしまう設計になっている。このコーナーが4月改編で3回から4回へ増加したことが、勢いを加速させた理由だった。

 テレビウォッチャーの番組感想を分析すると、「めざましじゃんけん」増加以前、今年3月の番組20回放送分(3月2日~27日)と、直近20回放送分(5月22日~6月19日)で視聴者が「めざましじゃんけん」を言及した数をみてみると、じゃんけん増加前は126件だが、増加後は200件と、増加率約57%。「じゃんけん」に関心を持っている表れであると言える。

 もちろん「めざましテレビ」の視聴数が伸びた要因には、他のコーナーリニューアルも関係しているだろう。しかし「めざましじゃんけん」に一喜一憂する視聴者が増えたことも事実。ちょっとした変化に視聴者は敏感に反応しているようだ。

 以前の朝番組と比較すると、どの番組もニュースだけにこだわらない様々な工夫で視聴者を楽しませようとしている。今後も朝から元気をもらえる工夫に注目だ。

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2015年7月1日のニュース