「天皇の料理番」佐藤健の包丁さばきにプロも感嘆「この形、いい感じ」

[ 2015年5月31日 09:00 ]

TBS日曜劇場「天皇の料理番」で料理監修を務める料理研究家の脇雅世氏

 俳優の佐藤健(26)が主演を務める「TBSテレビ60周年特別企画 日曜劇場 天皇の料理番」(日曜後9・00)。福井の田舎では破天荒で厄介者にされた青年・秋山篤蔵が日本一のコックへ駆け上がるまでを描く。明治~大正~昭和の時代背景を意識した数々の西洋料理が目を引くが、“料理”ももう一つの主役。この料理分野全般の監修を担当するのが料理研究家の脇雅世氏だ。

 台本になる前、ラインアップに挙がった料理や調理器具がその時代、場所に合っているかをチェックし、史実にそぐわなければ指摘。また、展開に合うような料理のレシピも考案。当時そうだったように銅鍋をピカピカに磨き、本来担当ではないが調理する人手が足りなければ実際に腕を奮うこともある。

 今回技術指導はしないが、篤蔵を演じる佐藤の包丁さばきなどの技術については「凄い」とうなる。第4話、じゃがいもの“シャトー剥き”など難易度の高い技術を披露する場面があるが、吹き替えは一切ない。撮影場所には「たけるコーナー」があり、包丁、まな板を常備し、いつでも玉ねぎのみじん切りなどができるようになっているという。「朝、誰よりも早く現場に入り、夜中までいる。普通なら控室で横になりたいと思うのに、その時間を使って練習されてる」と証言。揚げたてのカツを切る場面でも「パン、パン、パンって。ああこの形、いい感じと思いました」と佐藤の所作の美しさをベタ褒めする。

 主人公のモデルになった秋山徳蔵氏と同じく、脇氏も1977年から7年間、パリに滞在しフランス料理の修業に励んだ。「海外に出ることが難しかった時代、自分のやりたいことのために外で勉強するというのは凄いパワーだと思う。交通手段、通貨、そして言葉。渡仏前に生のフランス語を毎日習う機会がなかったら、かなり大変だったと思います」

 先人の苦労が分かるからこそ、その人生を描いたドラマで、自身が任されたことに妥協しない。パリ留学時代に購入した近代フランス料理の父・オーギュスト・エスコフィエ氏の名著「料理の手引き」をもう一度読み直し、史実に対し、そしてフランス料理に対して忠実にそのクオリティーを追い求めた。演出が過ぎる場合には「それでは日本人の理解が笑いものになります」とスタッフを説得したことも。

 「どうしても私の譲れない部分は伝えます。ただ、ほとんどは演出家の意図を飲みますよ。見ている人に事実が違うと指摘されたら“これはドラマですから”って理解してもらいながら…」。史実をとるか演出をとるかのさじ加減。料理のプロが味見をするからこそ、そこが絶妙なのである。

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