鈴木京香 感無量「強く、強くと心掛けていた日々 理想に近づけた」

[ 2015年3月17日 17:00 ]

「おかあさんの木」クランクアップ会見に出席した鈴木京香

 女優・鈴木京香(46)が主演する映画「おかあさんの木」(監督磯村一路、6月6日公開)のクランクアップ会見が17日、都内のホテルで行われた。

 30年近く小学校の国語の教科書に載っていた児童文学の名作で、東映の戦後70年記念作品として映画化。今月10日に撮影を終えたばかりで、7人の子供を次々に出征させる悲運を背負った母親を演じた鈴木は「強いお母さん、時代を象徴するような日本のお母さんをイメージしました。一番理想とするお母さん像に近づけてやれればと、自分の母親を思うこともありました」と振り返った。

 撮影では、「つらく悲しい思いを7回もされた方で、大変難しい役。(子役の)子供たちがかわいくて、無邪気に遊んでいる姿を見れば見るほどつらくなった」と声を詰まらせるひと幕も。それでも、「母として強くいなければと自分を律しました。強く、強くと心掛けていた日々でした」と強調した。

 成長した次男を演じた三浦貴大(30)は、「学生時代、海で救助活動をしていて助けられなかった人がいて、残された人の顔を間近で見ることがあった。この映画は残された人の痛みを描いている。戦争を知らない僕らと同じ世代の人に特に見てほしい」と神妙な面持ち。志田未来(21)は、「作品を通して、母親が子供のことをいかに大切に思っているかを感じた。自分の母に見てもらってから、ありがとうと言いたい」としみじみ話した。

 唯一戦争体験をもつ奈良岡朋子(85)は、「今、こういう映画を撮るべき時にいいオファーを頂いた」と感慨深げ。そして、「70歳を過ぎてから戦争体験を語り伝えることも責任のひとつと思えるようになった。家族、母子のきずなを描いた、今のキナ臭い世の中に作られるべき映画です。見ないと損をします」と訴えていた。

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2015年3月17日のニュース