明菜 12年ぶり紅白、NYから不調押し出演「温かさが届けば」

[ 2015年1月1日 05:30 ]

米国からの生中継で12年ぶりに紅白歌合戦に出演した中森明菜

 「第65回NHK紅白歌合戦」が31日、東京・渋谷のNHKホールで行われた。体調不良の影響で活動を休止していた中森明菜(49)が組分けを超えた特別枠で、02年以来12年ぶりの紅白出演。米国から中継で生出演し2010年7月以来となる公の場に姿を見せた。国民的5人組バンド「サザンオールスターズ」も、同じく特別枠で31年ぶりに出場した。対戦は3年連続で白組が勝ち、対戦成績を36勝29敗とした。

 米ニューヨークのスタジオからの生中継。約4年半ぶりに姿を見せた明菜は、会場からの呼びかけに「日本も今、低気圧の影響でお天気悪く大変なようなんですが、こちらも結構寒くて。皆さんに温かさが届けばと思います」と、消え入りそうな声で応じた。

 会場とやりとりすることはなく、一方的に約30秒間、話しただけで歌唱がスタート。21日発売の新曲「Rojo(ロホ)―Tierra(ティエラ)―」を生で歌っているような様子を見せた。ただ途中からは、生中継では目障りとなるマンハッタンやライオンの映像などがめまぐるしく入った。歌い終えたあとは感想を交わし合うこともなく、明菜が「ありがとうございました」とつぶやき、あっさりと終了した。

 ファンの誰もが待ちわびた歌姫の復活劇。10年9月に重度の帯状疱疹(ほうしん)を発症し、現在も体調不良が続く中、NHKは出場を熱望し折衝を繰り返した。明菜は何とかファンに元気な姿を見せたいとの思いで懸命に治療に取り組んだ。

 「出るからには生で」という明菜の希望を受け、米国からの生中継という形に落ち着いた。観客を前に歌うには、心身ともにもう少し時間が必要だと判断しての措置とみられる。

 そんな中、登場した明菜の顔色は優れず、表情も乏しい。やつれた姿は体調不良との闘いの激しさを物語るようだった。

 誰もが期待していた、「難曲をさっそうと歌い上げる堂々たる復活」という印象ではなかったかもしれない。それでも、国民の半数が見る番組で、元気な姿を見せられたのは間違いなく大きな前進。28日に発売される新作カバーアルバム「歌姫4 ―My Eggs Benedict―」にも問い合わせが殺到しており、ファンは華麗なる復活を期待している。

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2015年1月1日のニュース