新宿ミラノ座、58年の歴史に幕…1400人別れ、最後は「E.T.」

[ 2015年1月1日 05:30 ]

多くのファンから「ありがとう」と声が掛かる中、新宿ミラノ座のシャッターが下りた

 1064席と日本最大級の映画館「新宿ミラノ座」(東京都新宿区)が31日、58年の歴史に幕を下ろし閉館した。最後の作品は1982年に公開された米SF「E.T.」で、立ち見を含めた約1400人のファンが別れを惜しんだ。

 エンドクレジット終了後、横田浩司総支配人がスクリーンの前であいさつ。「新宿ミラノ座は閉館しますが、ミラノ座という名前と皆さま、私たちの映画への熱い思いは永久に不滅です」と巨人・長嶋茂雄終身名誉監督の名セリフを引用した。ファンからは大きな拍手が巻き起こり、劇場側の演出で紙吹雪が館内を包んだ。

 観賞を終えた茨城県取手市の男性会社員(55)は「妻と結婚する前に、デートで“E.T.”を見にミラノ座に来た。当時も立ち見で、きょうも立ち見。その時の雰囲気を思い出してしまって…」と目をうるませた。

 最終上映後30分間は館内を無料開放。外で待っていたファンが座席の感触を楽しんだり、スクリーンの前で記念写真を撮るなどしていた。午後4時にシャッターが下ろされると「ありがとう!」「楽しかったよ!」などの声が飛んだ。

 新宿ミラノ座は1956年12月1日にオープン、82年の「E.T.」では同館最高の約53万人を動員した。近年は近くにシネコンがオープンして観客が減り、建物も老朽化したことから閉館となった。同じビルに入るボウリング場「ミラノボウル」もこの日で営業を終了。跡地の利用は決まっていない。

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