武井咲「ナチュラルに変な人演じたい」 かれんさ封印、監察医役

[ 2014年7月27日 09:30 ]

透明感あふれる武井咲。ドラマでのシリアス演技にもご注目

 女優の武井咲(20)がテレビ朝日の主演ドラマ「ゼロの真実~監察医・松本真央~」(木曜後9・00)で医師役に初挑戦している。生きた人の命を救う医師ではなく、遺体にしか興味がない変わり者の監察医役。CMなどで見せるかれんな“エミ”を封印し、謎めいたヒロイン像を作り上げている。

 「頭を開けます」「肺をスライス」――。今回のドラマでは、笑顔どころか表情を変えることさえなく、衝撃的な言葉も平然と放つ。不自然死の遺体が運び込まれる監察医務院の新任、松本真央役。メスやハンマーを手に遺体を解剖する場面も多い。「最初はびっくりしたけど、今は興味の方が大きい。監察医という職業も、言葉を発しない遺体と向き合うことも未知だったので、それを知っていくのが凄く面白いんです」。心底楽しんでいるようで、目を輝かせて話す。

 真央は美人で帰国子女、IQ150の天才だが、天涯孤独で人間関係やおしゃれには一切無関心。友人もおらず、遺体の検案・解剖にしか興味を示さない。

 ミステリアスな気象予報士を演じた昨年の同局「お天気お姉さん」以来、脚本家の大石静さんと再タッグ。大石さんが「武井さんを変人に描かせたら日本一」と胸を張る通り、突然逆立ちをしながら考え事をして周囲の人を驚かせるなど徹底した変人ぶりだ。

 だからこそ役作りは入念。「会話しないとロボットっぽくなりがちだけど、ナチュラルに変な人を演じたい。真央に人間味を感じたくて、描かれていない私生活の部分を想像しています」

 特殊な職業で専門用語も多いため、制作側が出演者向けに用語や動作を解説するマニュアルブックを作成。台本と同程度の厚さでかなりのボリュームだが、読み込んでいるといい「理解するとだいぶセリフが言いやすくなるんですよ」。初めての医師役で、術着や白衣姿のシーンが多く「着るとスイッチが入ります」と表情を引き締めた。

 真央は寝食を忘れて死因の究明に没頭するなどストイック。自身との共通点を聞くと、「一つのことに集中するのはいいなと思うけど、私は飽き性なので、すぐにいろんなものに目移りしちゃう。幅広く好きなことをいろいろやっていきたいなと思っちゃいます」と、笑顔がはじけた。

 昨年12月に成人した。言葉を選びながらしっかりと話す姿は、同年代の若者より落ち着いている。「今までは目の前の仕事を一生懸命やるばかりだったけれど、作品に自分が向き合う姿勢とか、責任感とかは凄く大きいものになってきたかな。もっと勉強したいという気持ちが強くなりました」

 現在興味を持っているのは映画。「今まであんまり映画を見なかったけれど、映画を1本見るだけで、好きなファッションのこととかいろんな情報が入ってくる。好きなことがどんどん広がるといいなと思って。映画館にも行きますよ」と明かす。最近は「渇き。」(監督中島哲也)を観賞し「同世代の人たちもいっぱい出ていて面白かった」と、刺激を受けたようだ。

 真央は考えが煮詰まると逆立ちをするが、自身のリフレッシュ法は「とりあえず寝てみる。20歳になったので、お酒もたまに飲みますよ。量はそんなに多くないけど、ワインを飲みます」と笑顔で話す。

 鋭い洞察力で人や状況を分析する真央の視点で自己分析してもらうと、20歳の武井咲は「何も知らない人。それで今、いろいろ勉強中です」。韓国語と英語を勉強中といい「いろんな人に出会ったり、違う国の文化を知りたいんです」と目を輝かせる。「勉強」という言葉を何度も口にする姿には、大きな成長を目指す強い意志がみなぎっていた。

 ≪現場はにぎやか≫自殺や事故と思われた遺体の死の真相を真央が解明していくサスペンスで、同僚の監察医や刑事役の俳優陣も多彩な顔ぶれ。真矢みき(50)、生瀬勝久(53)、でんでん(64)、佐々木蔵之介(46)らが出演。現場はにぎやかなようで、武井は「生瀬さんは趣味の釣りの話をしていたり、皆さん個性的で、凄く好きな役者さんたちなので、話を聞けるのがうれしい」。

 ◆武井 咲(たけい・えみ)1993年(平5)12月25日生まれ、名古屋市出身。06年に第11回全日本国民的美少女コンテストでモデル部門賞とマルチメディア賞をダブル受賞し芸能界入り。09年にフジテレビのドラマ「オトメン(乙男)」で女優デビュー。ヒロインを演じた映画「るろうに剣心」の「京都大火編」が8月1日、「伝説の最期編」が9月13日公開。

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