勘三郎さん死去後初の「平成中村座」NY公演開催

[ 2014年7月8日 10:21 ]

 2012年に死去した歌舞伎俳優中村勘三郎さんが始めた「平成中村座」のニューヨーク公演が7日、リンカーンセンターのローズシアターで開かれ、約千人が入る劇場を埋めた観客が「カブキ」を堪能した。ニューヨーク公演は3回目だが、勘三郎さんがいない舞台は初めて。公演は12日まで続く。

 観客席入り口のホールには劇場側の配慮で勘三郎さんの小さな写真が掲げられた。公演前、主役で長男の勘九郎は「ニューヨークの人に楽しんでもらいたい。父にささげるつもりでやる」と意気込みを語った。

 演目は落語の怪談話を基にした「怪談乳房榎」で、勘三郎さんが得意とした。勘九郎の一人三役と大量の水を使った滝のシーンが見どころで、中村獅童の悪役ぶりも光った。

 拍子木や太鼓の音に加え、観客席の壁を取り巻くように赤いちょうちんがぶら下げられ、芝居小屋の雰囲気を伝えた。

 観客の一人、自営業ラフィエル・トシュマンさん(34)は「三つの役を演じ分けたのは本当に素晴らしかった」と語った。(共同)

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2014年7月8日のニュース