浅野忠信 最優秀男優賞、31年ぶりの快挙は「いい重み」

[ 2014年6月30日 19:50 ]

映画「私の男」第36回モスクワ国際映画祭W賞受賞記者会見でトロフィーを手に満面の笑みの浅野忠信

 ロシアで開催されていた「第36回モスクワ国際映画祭」のコンペティション部門で熊切和嘉監督(39)の「私の男」が最優秀作品賞を受賞し、主演の浅野忠信(40)も最優秀男優賞を受賞した。ダブル受賞の快挙を受けて、1日、都内で浅野とともに、ヒロインを演じた二階堂ふみ(19)が記者会見を開いた。

 桜庭一樹氏(42)の直木賞受賞作を原作に、震災孤児の少女・花(二階堂ふみ)と彼女を引き取った遠縁の男・淳悟(浅野)との「禁断の愛」を描いた。世界4大映画祭の「モスクワ」で日本作品がグランプリに輝くのは99年の故新藤兼人監督「生きたい」以来、15年ぶり。最優秀男優賞は83年「ふるさと」(監督神山征二郎)の加藤嘉以来31年ぶりの偉業となった。

 俳優生活25周年と節目での受賞に浅野は「とてもとてもうれしい。こういう機会はなかなかないので、やってきてよかった」と喜び。モスクワから到着したトロフィーを手に「いただけたんだという、いい重みを感じる」と笑みをこぼした。

 受賞の知らせに「突然でびっくりした」という浅野。「記者会見をやりたいと聞いて、何を着ようかと思って、ご褒美にスーツを買わないとと思った」と笑った。31年ぶりの快挙には「ずいぶん長いこと日本人が選ばれていなくて、僕が久々に選ばれて、まさかこんなふうに賞がもらえるとは思っていなかったのでうれしい」と語り、「自分の中でいろんなことを模索した時期が30代で、その中でたくさんの国の人達に出会って、世界中の人たちに映画に対する情熱の持ち方を教えてもらい、それを評価してもらえた。(この受賞で)こうやっていくのは間違いでなないんだと思うことができた」と受賞の喜びを噛み締めた。

 40歳という年齢を迎え「この役で再スタートを切りたいと思って、溢れる思いで役に向き合っていた。ムキになれるぐらい熱くなれるぐらいの役に出会えて良かった。(受賞したことで)どこまでできるのかと自分で楽しみ。どう伝えていけるのかも課題。いいチャンスをもらえた」とさらなる飛躍を誓った。

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