抗議の日テレドラマ HPに賛否「子どもに配慮を」「あくまでドラマ」

[ 2014年1月16日 19:35 ]

 児童養護施設を舞台にし、15日にスタートした日本テレビの連続ドラマ「明日、ママがいない」(水曜後10・00)に対し16日、「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置する熊本市の慈恵病院が放送中止を申し入れると明らかにした。番組公式サイトには掲示板があり、賛否両論が広がっている。

 「こうのとりのゆりかご」は親が養うのが難しい子どもを匿名で受け入れるもの。ドラマ内で「赤ちゃんポスト」に預けられた子に「ポスト」というあだ名が付けられ、同病院は「預けられた子どもを傷つけ、精神的な虐待、人権侵害になる」と批判。養護施設の描写にも「職員が子どもに暴言を吐き、泣くことを強要するなど現実と懸け離れたシーンが多すぎ、誤解や偏見、差別を与える」と指摘した。

 同サイトの掲示板には、児童指導員が「コガモの家(養護施設)のような劣悪なグループホームはないですし、ああいったやりとりを児童相談所の福祉司がしていることもあり得ません。またグループホームの職員体制や、環境面、里親制度の実際の適用の仕方など現実とかけ離れています。ドラマのストーリーだけを絶対の情報と思うことなく、正しい情報と、児童にとって正しい理解を持って接してもらいたいというのが私の願いです」と投稿し“演出”に疑問符。

 別の児童養護施設職員も「この子どもたちの生活に影響がでないように。子どもたちが、学校やまた社会生活の中で悲しい思いをしないように配慮をお願いします」とした。

 一方、子役の演技に感動したなどの声も多く「何もドラマの内容がすべて真実に基づいているとは誰も思っていないと思います。刑事ドラマや医療ドラマしかり、あくまでもドラマとして見ています」「『真実と違う』みたいな意見が多いですが、視聴者だってそこは分かってると思いますけど。ドラマがすべて真実なんて思ってる人いないでしょう」と冷静な見解も。

 日本テレビは「ドラマは子どもたちの心根の純粋さや強さ、たくましさを全面に表し、子どもたちの視点から『愛情とは何か』を描くという趣旨のもと、子どもたちを愛する方々の思いも真摯に描いていきたい」とコメント。第2回以降も予定通り放送を続けるとし「ぜひ最後までご覧いただきたいと思います」。慈恵病院の対応、ドラマの展開も含め、今後の動向が注目される。

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2014年1月16日のニュース