新藤映画ゆかりの島競売へ 買い取りに向け募金活動

[ 2013年12月27日 16:03 ]

映画監督新藤兼人さんの代表作「裸の島」のロケ地となった広島県三原市の宿禰島(提供写真)

 2012年5月に100歳で死去した映画監督新藤兼人さんの代表作「裸の島」(1960年)のロケ地となった広島県三原市の宿禰島が、14年2月に競売に掛けられることになり、映画関係者が27日までに買い取りに向け募金活動を始めた。

 映画は水や電気のない瀬戸内海の小さな島に住む一家の日常や葛藤を描き、1961年にモスクワ国際映画祭グランプリを受賞。新藤さんの没後、宿禰島周辺海域で一部が散骨された。

 関係者によると、島の地権者の財産管理をめぐる問題から、13年8月に広島地裁福山支部が競売開始を決定、14年2月に入札が始まる。

 この動きを知った俳優の柄本明や、新藤監督の次男で近代映画協会の新藤次郎社長ら映画関係者4人が一般に向けて募金活動を開始。取得できた場合は、三原市に寄贈する方針だ。

 呼び掛け人の一人で広島市出身の映画美術監督部谷京子さんは「自由にファンが訪れることのできる永遠の島にしていきたい」と話している。

 宿禰島は三原市の沖合約1・5キロ。市によると面積は0・74ヘクタールで、戦後人が住んでいた時期があったが、1973年に無人島になったとされる。

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2013年12月27日のニュース