やなせさんの“遺言”掲載 責任編集の季刊誌19日発売

[ 2013年10月16日 09:43 ]

「詩とファンタジー」創刊号(左)と、やなせたかしさんの遺作となった最新号掲載の「天命」

 13日に94歳で死去した漫画家やなせたかしさん責任編集の季刊誌「詩とファンタジー」の24号が19日、発売される。やなせさんは巻頭用に「もうおしまいです」と“遺言”を書き、本編用に死をテーマにした詩とイラストの二つの作品を完成させ、入院中だった9月上旬に編集者に原稿を渡していたという。

 出版元かまくら春秋社の社長伊藤玄二郎さんは「残念だが、雑誌は続けたい。やなせさんのスピリットは受け継いでいくつもりだ」としている。

 やなせさんの責任編集としては“最終号”となった今号巻頭の「編集前詩」で「死ぬ時も/未熟のままで/かえって/よかったような/気もします」と心情をつづった。

 さらに、「天命」と題した遺作では、侍と骸骨が対面する絵柄に「ゼロの世界へ/消えていくでござる」などと死を達観したように言葉が並び、もう一つの作品「チャーリー」では道化師を登場させ「ぼくの人生喜劇/シリーズ/ついに全巻の終り」とユーモラスに語っている。

 やなせさんは1970年代に「詩とメルヘン」「いちごえほん」を創刊。長年、編集を支えてきたイラストレーター宇野亜喜良さんは「やなせさんは自分の好みに片寄らず、幅広い作家を登用した。ライフワークというだけでなく、童話史に残る雑誌だ」と話す。

 「詩とファンタジー」は「詩とメルヘン」の後継誌で2007年から年4回、刊行している。これら3誌を通じて優れた叙情詩や童話、イラストの描き手を起用。自らのポケットマネーから新人コンテストの賞金を出すなど後進の育成にも力を注ぎ、黒井健さんや永田萠さん、葉祥明さんら人気作家を輩出した。

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