「あまちゃん」最終回で…心配だべ“あまロス症候群”

[ 2013年9月28日 06:00 ]

「あまちゃん」でヒロインを演じた能年玲奈

 NHK連続テレビ小説「あまちゃん」が28日に最終回を迎え、ロケ地の岩手県久慈市では「最終回を見る会」と題した“パブリックビューイング(PV)”が行われる。ドラマがどんな結末を迎えるのか注目される一方、放送終了後に喪失感を覚える「あまちゃんロス症候群(あまロス)」が視聴者の間で広がる可能性があり、心配する声もある。

 PVが行われるのは久慈市の道の駅「やませ土風館」。地元関係者を中心に約80人が集まる予定。市観光物産協会の中塚勝則事務局長は「多くの人と感動を分かち合いたい」と期待している。

 ドラマは4月の放送開始から26日放送分までの期間平均視聴率が20・6%(ビデオリサーチ調べ)。高視聴率を裏付けるように、観光客でにぎわいをみせており、海女が素潜り漁を実演する小袖海岸の活動拠点には7~8月の間に前年同期の約23倍の観光客が訪れた。9月に入っても団体客らが絶えず訪れている。

 「小袖北限の海女の会」の大向広子会長は「潜る(実演する)回数が違う。通常3回だったが、放送開始後は多い日で7回。大変」。ドラマ終了については「あっという間の半年でした。海女のみんなも“残念だね”“また見たい”と言っていて、寂しそう」と声のトーンを落とした。

 心配されるのは海女たちの「あまロス」だ。大向さんによれば、「あまちゃんを見ないと家を出られない」と話す海女も。ほとんどが、放送5分前にテレビの前に座り、午前8時から15分間番組を見て、同8時半までに小袖海岸海女センターに出勤。あす29日以降は、半年近く週6日続いた習慣が無くなることになる。大向さんは「心配は心配」と話しつつも「落ち込んでも仕方ない」と前を向く。

 ドラマの支援推進協議会は今月20日、劇中に登場した小道具などを展示する「あまちゃんハウス」を市内にオープンさせた。市商工観光課の久保司課長は「放送が終わっても余韻に浸ってもらえる」と新たな観光スポットとして来場客を見込んでおり、「あまロス」対策の一つになりそうだ。市職員にも番組を見てから出勤したり業務を始める人が多く「あまロス」が心配される人もいるという。ただ、久保さんは「あまちゃん効果を1カ月でも1日でも残す努力をすれば乗り越えられる」と意気込んでいる。

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2013年9月28日のニュース