宮崎監督「僕の長編アニメの時代は終わった」「町工場のおやじでいたい」

[ 2013年9月6日 19:19 ]

 宮崎駿監督の記者会見での一問一答は次の通り。

 「僕は何度もやめると言って騒ぎを起こしてきた人間なんですが、今回は本気です」

 ―引退の理由は。

 「僕は自由です。やらない自由もあるんです。加齢はどうすることもできない。僕の長編アニメーションの時代ははっきり終わったんだと思う」

 ―今後やりたいことは何か。

 「(三鷹の森)ジブリ美術館の展示には関わりたい。自分が展示品になっちゃうかもしれないが。車が運転できる限りアトリエには通いたい。文化人にはなりたくありません。町工場のおやじでいたい」

 ―描いてきた作品に共通したメッセージは。

 「子どもたちに、この世は生きるに値するんだと伝えるのが仕事の根幹になければいけないと思ってやってきた。それは今も変わっていません」

 ―思い入れのある作品は。

 「とげのように残っているのは『ハウルの動く城』。ゲームの世界をドラマにしようとした結果、本当に格闘した」

 ―つらかったことは。

 「(製作に入る段階で)終わりが分かっている作品を作ったことはなく、スケジュールに追われてつらかった。ただアニメーターは、風がうまく描けたとか、光の差し方がうまくいったとかで2、3日は幸せになれる。自分に合った職業だと思う」

 ―今後のスタジオジブリについて。

 「重しがなくなって、若い人から『こういう物をやらせろ』という声が起こることを願う」

((了)(H)(14)130906 190102

 【編注】▽宮崎駿(みやざき・はやお)

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