叶麗子、通天閣歌謡劇場存続へ署名活動「私たちが何かしなければ」

[ 2013年5月18日 09:31 ]

通天閣歌謡劇場の閉館撤回を求め署名活動に立ち上がる“通天閣の歌姫”叶麗子

 大阪・新世界の通天閣歌謡劇場(スタジオ210)が6月末に閉館する問題で17日、同劇場を拠点に活動している“通天閣の歌姫”こと叶麗子(50)が存続を訴え立ち上がった。

 18日、通天閣界隈(かいわい)で署名活動を開始する叶は「最初は泣いてばかりでしたが、私たちが何かしなければ始まらない」と話し、文房具店で自らペンやバインダーを購入し署名活動への準備を行った。

 同劇場は近年、松竹芸能が毎週末にお笑いライブと平日の1日を歌謡ショーに充ててきた。しかし、松竹芸能が今夏に大阪・ミナミに「道頓堀角座」を開場するのに伴い、運営会社「通天閣観光」との契約が6月末で終了。稼働率の低さから継続は困難と判断し、18日の役員会で閉鎖が決定する見込みだ。

 NHK朝の連続テレビ小説「ふたりっ子」の舞台にもなった通天閣の地下スペースが歌謡劇場としてオープンしたのは1989年。当時から同劇場を拠点とし、同ドラマに登場するオーロラ輝子のモデルだった叶の思い入れは強く「帰ってくる場所、家がなくなるのと同じ。ライブハウスみたいな形でも、何でもいいから存在して」と訴えた。

 すでに、叶の熱心なファンが集めた署名は口コミだけで250人を数えた。当面の目標は1万人。「すべてが急なのでどこまでできるか分からないけど、とにかく前に進みたい」と悲痛に訴えた。

 ▽通天閣歌謡劇場 現在の正式名称はSTUDIO210。大阪市浪速区にある通天閣の地下劇場。客席数196。戦後、通天閣が再建された1956年に囲碁・将棋センターなどとして利用された地下スペースに89年、歌謡ショー専門の劇場としてオープン。04年、老朽化に伴い全面改装し翌年再開。08年5月末、大阪・ミナミの劇場「B1角座」が閉館したのを受け、同年7月からお笑いライブが週末に行われるようになり、従来週末開催だった歌謡ショーが平日に移行した。

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2013年5月18日のニュース