「オース」威勢の良い掛け声で人気だった“バタヤン” 映画でも活躍

[ 2013年4月25日 14:04 ]

2000年12月、歌手生活60周年を祝う会のステージで熱唱する田端義夫さん

田端義夫さん死去

 「バタヤン」の愛称で親しまれた田端義夫さん。戦前から「大利根月夜」などのヒット曲で活躍し、演歌界の最長老と言える存在だった。

 「90歳までは歌う」と公言していた通り、2009年1月1日には歌手生活70周年の記念アルバムを発表、現役であることをアピールした。95年には日本歌手協会の5代目会長に就任し、04年には名誉会長の座に就いた。

 最近では、テレビ東京の大みそか恒例の音楽番組「年忘れにっぽんの歌」にエレキギターを手に、威勢のいいあいさつ「オース!」とともにステージに現れ、代表曲「かえり船」や「島育ち」などを熱唱する姿が記憶に新しい。

 右目の視力を失っていたが、それは幼少時代の生活苦から感染症にかかったためとされた。少年時代、当時既にスターだった歌手の故ディック・ミネさん(享年82)がギターを持って歌う姿に憧れ、姉の勧めで歌謡コンクールに出場。優勝したことから歌手の道が開けた。

 「島の舟歌」「大利根月夜」「別れ船」など次々とヒットを飛ばし、戦中は中国や軍需工場などへ慰問活動も精力的に従事した。戦後は歌手に復帰するとともに、映画でも「底抜け青春音頭」「アジャパー天国」など数多くの喜劇作品を残している。

 「NHK紅白歌合戦」には1963年に「島育ち」で、89年は「かえり船」で2度出場した。

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2013年4月25日のニュース